うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

2020年までポケモン映画をまとめてレビュー(完全版)

 2022年2月時点でポケモン映画をすべて観た(2020年まで)ので、ドラ映画の時のようにまとめてレビュー。アニメのポケモンは映画含め、2022年2月時点でAmazonPrimeで全て見ることができる。新作映画の公開前など、不定期で時限的に見れるようになる模様。
 一覧は以下参照。
ポケットモンスター (劇場版) - Wikipedia
 ドラ映画ほど明確な定義ではないが「ポケモン映画らしさ」=ポケモンが魅力的に描かれているか、子供向け、大人向けという評価軸にする。「ポケモン魅力」はポケモン全般の出番の多さだったり「可愛い、カッコイイ」で判定する。人間との絡み・友情みたいなものは本筋に関わるので子供向け、大人向けに割り当てる。
 ストーリーの大体のパターンは「欲望・野心のある人間の行動きっかけで厄災が起き(善良な人間のワケあり行動、または単なる過失というパターンも)、それを各作品のキーとなる伝説級ポケモンとサトシたちが防ぐ」というものだが、当てはまらない例もある。
 1話完結型のTVアニメシリーズ同様、話の構成としてはきわめてシンプルで、

  • 旅を続けているサトシ(たち)が、舞台となる土地にやってくる
  • 事件に巻き込まれる
  • 事件解決後、また旅立つ

 という定型のおかげで70ー80分という短い尺でも成立するのかもしれない。日常ものであるドラえもんなどとは大きく違い、脚本目線で言えば導入部分がとても楽。
 逆に、アニポケ本編にも共通する制約として、

  • ポケモンを純粋な悪役にしてはいけない(悪党は人間)
  • 死を描かない(悪役であっても人を、そしてポケモンを殺さない)
  • トレーナー自身は暴力的手段に出ない・戦わない(追い詰められても暴れず、戦力がなくなったら諦める)

 あたりが見られる(一部例外はあるが)。
 映画ではロケット団トリオの立ち回りに注目である。サトシたちと共闘し見せ場があるパターンか、悪党をまっとうするパターンならいいのだが、ストーリー上のからみがなくただいるだけの作品はデキが悪いことが多い。これはドラ映画におけるジャイアンスネ夫の取り扱いに似ている。

幻のポケモン ルギア爆誕(1999)【7/1追記】

ポケモン魅力:B 子供向け:A 大人向け:B
 ミュウツーに続く2作目が王道な作品となった。「怪獣映画+自然保護」というベタな作りで、ゲストヒロインvsカスミの構図もいい。ロケット団トリオの見せ場もある。ピカチュウがほぼ活躍しない空気ぶりで、本作ではとてもクールな立ち回りなのが物足りない。というかサトシたちの手持ちポケモン全般が空気。
 三鳥が単なる三馬鹿であり、いいところがないのが残念。メインはルギア。サトシが強引にキーマンとなり、世界を救うがママに怒られるというオチ。悪党は例によってやられ方がぬるい。余談ながら安室奈美恵の主題歌、小室サウンドポケモンと絶望的に合っていない。
 本作のテンプレをもっと昇華させればよかったと思うが、ママ・ハナコはこの作品以外では親子愛というテーマがある翌年の『ENTEI』、最新作『ココ』にしか登場しない。なぜだ……。最初のうち(TVアニメシーズン1)は、舞台がマサラタウンの近場だったから? だんだんと博士もゲストキャラが多くなり、オーキド博士も出番が減ってしまっている。ゲストキャラが控えめでレギュラーキャラ中心だとTVSPっぽくなってしまう面はあり、バランスが難しいのはわかるが。ちなみにケンジが旅仲間としては唯一の劇場版登場作となる。
 興行的に歴代では2位だったが前年割れだったことで、以降の作品で迷走を起こした。初代ミュウツーこそがポケモン映画の癌だったのかもしれない……。

結晶塔の帝王 ENTEI(2000)【7/1追記】

ポケモン魅力:B+ 子供向け:B+ 大人向け:A+
 アニメやゲーム、少年漫画などのオタク向けエンタメ作品の主要な登場人物は大抵中高生の年齢なので、アラフォーにもなるとその母ちゃんがストライクゾーンになってくる。
 そんなわけで本作に限らず、アニポケの真ヒロインはハナコことサトシママである。異論は認めない。サトシの旅仲間ヒロインは10歳の小娘なので、いい大人がそこに欲情するのはキモい。アニポケはママが圧倒的に可愛い。俺でママの練習しろ。
 さて今回珍しく劇場版に登場するハナコだが、なんと敵に「さらわれる」のである。これがヒロインムーブでなくてなんだろうか。さらに、
さらわれ、洗脳される→立ち直る→ゲストヒロインを助ける(説得する)
 と十分な活躍ぶり。サトシとゲストキャラ二組の親子愛が描かれている。大人向けは本来Aランクだが、私情を加えて歴代最高のA+とした。ゲストポケモンも話もやや地味なので、ポケモン魅力と子供向けはB+。劇場版では旅仲間は「いるだけ参戦」が多いが、本作ではカスミとタケシにもそれぞれタイマンのバトルシーンがあり存在感がある。
 ゲスト役者二人も実力者で、矢島晶子の3変化ぶりと、竹中直人の違和感のない声優ぶり(この先含めて声優経験も豊富)に注目! ゲストキャラは最小限に、すっきりとまとまっている。

セレビィ 時を超えた遭遇(2001)

ポケモン魅力:A 子供向け:A 大人向け:A
 本作のゲストはユキナリ少年ことオーキド博士の過去の姿。シリーズものの劇場版でこういう脇役にスポットを当てる演出は見事。つまりアニポケ本編はサトシとオーキド博士の時を超えたBLだったんだよ!! な、なんだってー!?
 テーマは大自然との共生…ジブリを露骨にパクっているところが気になるが、しょうがない! さらにラストの別れはドラ映画っぽいが、単品ではいい話になってるんだからこまけぇことは気にするな!
 悪党のビシャスがいい味出しているしやられ方もスカッとする。ロケット団トリオのいつもとは逆のオチ台詞「いい感じ」も決まっている(3年連続だが、シチュエーションは一番しっくりくる)し、エンタメ映画として万全の仕上がり。文句のつけどころがない。
 本作に限らずだが伝説級のポケモンたち、簡単に悪党に捕まったり操られたりKOされたり、セキュリティが甘いのよ! もっと風格を見せてほしい。

水の都の護神 ラティアスラティオス(2002)

ポケモン魅力:B 子供向け:B 大人向け:C
 ポケモン映画全般の傾向として「胸糞展開があっても、なあなあで済まされる」がある。つまり悪党が成敗されない。今回の女怪盗二人は街を滅ぼしかけ、さらにあるポケモンの命まで奪った死刑もののクズコンビだが、逮捕・刑務所には入ったもののED歌の中のダイジェストで絵が流れるだけでどうにもスカッとしない。もっとボコボコにやっつけてほしかった(女だからさらに甘くなった?ジェンダー不平等はやめろ)。そもそも街のセキュリティが甘すぎるのだが、それは毎度の事件が起きるためのご都合主義で仕方ないか。
 見所は「ラティアス可愛い」だけで残念ながら大人が観るに堪える作品ではないが、「水の都」の街並みは綺麗だし旅行気分が味わえ、72分と短く子供向けとしては悪くない。ちなみにラティアス役は林原めぐみ、TVアニメシリーズでもいろんなポケモンをやっており、相変わらず演じ分けがうまい。

七夜の願い星 ジラーチ(2003)

ポケモン魅力:A+ 子供向け:A 大人向け:A
 とにかくジラーチが可愛い。が、それで終わりではなく作品もシンプルかつよくまとまっている。まず演出面、遊園地のギミックがとても良い。特にオオタチコースターが可愛い。つまり話の筋とは関係のないところでポケモンを「間接的に」出し、賑やかにしている。ロケット団トリオが一仕事して吹き飛ばされるまでの、冒頭15分の導入部が完璧。
 80分(短編併映作品はすべて70-80分)と尺は短いがゲストキャラを最小限にしコンパクトにまとめている。サトシではなくマサトがゲスト主人公扱いなのもいい。サトシはいい兄貴分を見せてくれる。終盤は偽グラードン戦もあり、派手さも十分。伝説級ではないが、アブソルはなんと劇場版ではこの作品のみ登場。使い勝手がよさそうなポケモンなのだが、意外。
 そしてジラーチ役の鈴木富子さんはこの映画が遺作になった…。偶然ながら「1000年の別れ」という作品テーマと完全に一致しており、感動を呼ぶ。ジラーチとの別れという着地点は最初から見えているが、それでも泣けてしまう。私はどうも劇中歌に弱い傾向にあるが、シリーズものの劇場版で「歌手設定があるわけでもなく、さらにゲストでもないレギュラーキャラによる歌唱」って珍しい気がする。
 ちなみに1000年に7日しか活動しないジラーチ、ゲームだと設定ガン無視だから全くありがたみがない。タイマー仕込まれてて、ゲットしても7日で消えるでも嫌だし仕方ないが。

烈空の訪問者 デオキシス(2004)

ポケモン魅力:C 子供向け:C 大人向け:D
 99分。この作品から尺が長くなり、2012-2015年を除いて2016年からまた長い。
 本筋がレックウザvsデオキシスの怪獣映画であり、悪人は一人も出てこない。この路線が好きな人でも、きわめてベタな作りで新鮮味はない。可愛いゲストポケモン枠はプラスルマイナンで、登場ポケモンは多い。
 15分までサトシが一切出てこないが、冒頭部分が長すぎる。導入部のサトシのポケモンバトルに「ゲストキャラを登場させる」以外の意味がない。ロケット団トリオが終始巻き込まれているだけでいいところなし。あれだけ死闘を繰り広げたレックウザデオキシスがあっさり和解しすぎ。ラストの見せ場がサトシである必要性がなく、強引。ゲスト主人公のトラウマも「そこなの?」という雑さ。
 尺はあったのに残念な部分が目立つ。ED歌のラスト、ピカチュウたちのダンスは意味不明(短編がないのでその代替?)。この路線なら「ポケモンは人類にとって恐ろしいものでもある」というハード展開を期待したが、そこは結局いつものなあなあ。全てが中途半端に終わっており、駄作。

ミュウと波導の勇者ルカリオ(2005)【2022/2追記】

ポケモン魅力:B 子供向け:B 大人向け:B
 前作の失敗を取り返しに来た感じで、話の展開も冒険ものとしてそつなくまとまっており、王道。冒頭はバトルイベント参加、ピカチュウと別行動からの合流、ルカリオと険悪からの友情、温泉経由してのラストダンジョンといった具合に。見終わってから悪役が特に登場しなかったと気づいたが、それくらい物足りなさはなく王道を貫いている。サトシ、お前波導が使えたのか…というご都合主義があるがこういうのは劇場版にはありがちだし、気にしない!
 ミュウとルカリオという人気ポケモンメインで退屈はしない。サトシと話せるルカリオもテレパシーであり、人語ペラペラでないところはいい。近年シリーズを見た直後なので余計に感じたが、サトシ含め3人の手持ちポケモンが多く登場し賑やかで、ポケモン魅力に不足はない。終盤の人間たちがやられていくシーンで、それぞれポケモンだけは守ろうとする姿は感動する。総じて良作、ポケモン映画最初の1本としてもおすすめ。

ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ(2006)【2022/2追記】

ポケモン魅力:B+ 子供向け:B 大人向け:B+
 AGシリーズ最後だからなのかは知らないが『ジラーチ』の時のマサトのようにハルカがフィーチャーされており、マナフィとのからみの母性は必見。俺でママの練習しろ。マサトが大きくなった姿も見たいし、やはりアニポケは5年くらい時間を経過させるべきでは。
 夏に見たい作品。カイオーガ、ラスト15分じゃ出てくるのが遅いよw ゲストキャラは特殊な血族たちで、それとゆかりのある神殿をめぐる冒険というひじょうによくある展開。悪党の海賊、フェイク野郎の正体がバレるくだりはネット論客的ではある。コミカルに描かれてるが、最期のシーンはよく見るとエグい(と思ったら「不殺」の原則通り死んではいなくてその後チラッと登場→ED絵で逮捕)。
 ポケモンレンジャーなる職業もあるようだが、ポケモン世界、ポケモン関係者にどれだけ公金が使われているんだ…。ゲストキャラのポケモンレンジャーが活躍するのでサトシの出番を食ってはいるが、大人としての役割をまっとうしてはいる。

ディアルガVSパルキアVSダークライ(2007)【2022/2追記】

ポケモン魅力:B 子供向け:B 大人向け:C
 2007-2009は三部作という構成なので、見る時は順番に注意。
 冒頭、ゲストヒロインである加藤ローサの声があまりにも合ってなくてズッコケる(テンプレ通りタケシが惚れるが違和感)が、そこ以外はよくまとまっていた作品だった。
 後半は完全に三つ巴の怪獣映画だが、前半のダークライを追っていく展開はポケモン映画らしさがしっかりとあり(アルベルト→ベロベルトの変身という小ネタもいい)、ラストのサトシ&ヒカリの活躍のさせ方にも無理がない。この辺は『デオキシス』の反省を生かしているなと感じる。
 ご都合主義的な復元ENDも、パルキアの空間を操る能力ということでまあいいでしょう。サラ・ブライトマンのED曲は小室ソングばりに絶望的に合ってない!

ギラティナと氷空の花束 シェイミ(2008)【2022/2追記】

ポケモン魅力:A 子供向け:B+ 大人向け:A
 シェイミとの出会いから別れ、ギラティナの反転世界をめぐる冒険、悪党ゼロとの対決…と冒険もの映画としてよくまとまっている。設定が子供には難しそうなので評価を一つ下げたが、十分に楽しめるだろう。
 シェイミがいることで、三部作の中でポケモン魅力は一番ある。そして中村獅童演じるゼロのキャラが立っていてよい。決して極悪人ではなく、手段を選ばないタイプのエコロジスト。使用するのがコイル軍団のみというのもいい。終盤ではサトシも乗る空飛ぶスクーターがカッコイイ。やはりポケモン世界は我々より数百年はテクノロジーが進んでいるんだろう。飛行タイプなど高機動系ポケモンの活躍がなくなるので、普段は自重気味という台所事情がありそう。
 悪党の逮捕エンドは非常に多い(ED曲での絵だけが多い)が、今回のゼロの罪状は何? 町を滅ぼしかけたからテロ未遂? 伝説級ポケモンを捕まえちゃいけない条約でもあるんだろうか。

アルセウス 超克の時空へ(2009)【2022/2追記】

ポケモン魅力:C 子供向け:B 大人向け:B+
 三部作がすべてつながるというか、設定の説明がある。我々の世界とは別に、それぞれ自分の空間を持つディアルガパルキアギラティナ、そしてアルセウス。アニメはただ輸入しているだけとはいえ、ポケモンはDP時代にだいぶ大風呂敷を広げてしまったので、映画は以降がネタ切れ感がという負の影響も感じられる。三部作の最終なので、単品としてのポケモン魅力はいまいち。4大ポケモン総登場と表面的には派手だが、実は暗い話なので全く子供向けではない(ギリギリのB)。というか話に関わるゲストポケモンは、よくしゃべるアルセウスのみと言っていい。
 サブタイトルをつけるなら「歴史改変!アルセウスを攻撃させてはいけない警察24時」という展開で、実際は何回か失敗してるループものでやってそう。というか時を操るディアルガさんの能力、チートすぎるよね…。能力バトル系ではおなじみ、「時」最強説。
 阻止する対象である「電気ポケモン集めた総攻撃で騙し討ち」ってまさにポケモンの軍事利用、火攻めには炎タイプが、水軍・海軍では水タイプが、馬の代わりに高機動ポケモンが古代から戦争に使われてきたんだろう。さりげなくポケモン世界の歴史を描いているところが、大人には面白い。現代ではポケモンバトルのみ許可され、集団戦・軍事利用は禁止されてそう。
 この映画の過去世界は数千年前というが、古代ローマくらいなので実際には2000から3000年前くらいだろう。ゲーム最新作の『アルセウス』は明治時代くらいだから200年くらい前という時系列になる。モンスターボールもなく、拘束具でポケモンを使役していた古代。なーにが絆だ、やはり科学の力でポケモンは人間に飼いならされていくのだった。ヒノアラシチコリータが料理を作らされていたが、実際あんなもんじゃないだろう。
 アルセウスは全タイプを持つ「命の源」のうち「水・地面・草・雷・竜」の5つをセットにした「命の宝玉」を人間に貸し与えちゃったから電気に対して耐性・無効がなくなってしまい、狙われた(厳密には弱点ではないが、ノーマル耐性)のだが、例によって伝説級ポケモン、ちょっとセキュリティが甘くないですかw

 なおアルセウスについては、アマプラ限定の現行TVシリーズの話(全4話)もある。ゴウとタケシがついに対面となる。
【公式】「ポケットモンスター 神とよばれし アルセウス」紹介映像 - YouTube

幻影の覇者 ゾロアーク(2010)【2022/2追記】

ポケモン魅力:C 子供向け:C 大人向け:C
 うーん、このつまらなさはなんだろう。悪の資本家が伝説ポケモンゾロアークを虐げる、ゾロアはサトシたちと偶然出会う、悪の資本家と敵対する新聞記者というゲストキャラ。サトシたちは伝聞情報だけで、出会う前から資本家を悪党にしているがそれでいいのか(結果的には正しいが)。話の流れが全般強引で、作り物感がひどい。この記事の冒頭に書いた通り、ロケット団トリオがただいるだけの展開はデキが悪い。
 ストーリーは悪役の超能力にも関わるセレビィがメインで、ゾロアーク(とゾロア)は直接関係がない。しかもセレビィは二度目(相変わらずセキュリティが甘い)、さらに派手にするためエンテイスイクンまで再利用していてネタ切れ・ツギハギがひどい(ライコウは初登場)。ゾロアークだけで一本話を作るのは無理でした! と白状しているようなもので、DPシリーズ最終作だが、前年までの三部作で燃え尽きてしまった感がひどい。
 ポケモン映画を見たことがない人なら、表面的には派手になっているしそれなりに楽しめると思うが、歴代を比べるとちょっときつい。。新スポーツ「ポケモンバッカー」のワールドカップという冒頭の設定はよかったのに、その後パッタリで一体どうした? 金満強豪チーム=読売巨人軍としての資本家を、サトシたちが協力したチームが倒す(試合で負かし、同時に脱税などで逮捕END)というプロットでよかったんじゃないんかなあ。
 例によって悪党は逮捕ENDだが、映像があるとはいえ自白だけ、それも20年前の自然破壊だけで罪に問えるの? もちろん社会的信用はなくなるにしても、ちょっと司法がガバガバすぎませんか。

ビクティニと黒き英雄 ゼクロム/白き英雄 レシラム(2011)【2022/2追記】

ポケモン魅力:C 子供向け:E 大人向け:D
 ここからBWシリーズ、だがこの映画がつまらないのはそのせいではない。歴代ワーストの称号を授けたい。
『鬼滅』の逆・宇髄天元ではないが、とにかく「地味」である。ゲストキャラが唐突にポケモンのブラック運用を始めサトシと対立、母も妹も速攻離反して多数決ムードで孤立させているが、目的自体はまともだしいろいろと無理がある。で、結局すぐ和解するし話の流れが見えない。そもそもがオカルトである龍脈がどうとか言われても。プロットがここまで頭に入ってこない作品も珍しく、説明・解説役のキャラ不在もあり説明不足がひどい(逆に反面教師としては優れている)。子供が見てもさっぱりだろう。根が悪人ではないから「すまなかった」で終わり、おなじみの逮捕ENDはなし? 不公平だ! ラストは「大地の郷の真実を(これから)見つける」という「俺たちの戦いはこれからだ」ぶん投げENDで全くもってすっきりしない。妙な地味展開、唐突に瀕死状態になり復活するサトシといい、近年の大人向けマーケティングシリーズの原点と言えるかもしれない。
 2バージョン設定なので、両方見ないといけないレビュワー泣かせであり、両方(実質2回)見てもプロットが理解できなかった。そして2本の違いにたいした意味はない(微妙なパラレル)というていたらく。たとえば、それぞれ前半はサトシ視点とゲストキャラ視点の別ルートで、後半は合流する共通ルートとかなら楽しめたのだが。露骨な失敗作であり、作り直してほしいレベル。
 憶測だが、本当はゲストキャラがもう一人いて(たとえば弟)それぞれゼクロム、レシラムを擁して対立するというストーリーだったんじゃないかなあ。それなら1000年前あったという戦いとも重なり、わかりやすい。でもそれだとサトシの関与が薄くなるので、削除された……? ゲストのちぐはぐな立ち位置、プロットのわかりづらさが不自然すぎる。というか妹、しっかりしろ。
 アニメ映画とは関係ない余談だが、ビクティニゼクロム、レシラム…どれも見た目がいまいち可愛くない&カッコよくない。新しいポケモンのデザインも2011年時点で行き詰ってきたようである。

キュレムVS聖剣士 ケルディオ(2012)【2022/2追記】

ポケモン魅力:D 子供向け:C 大人向け:D
 71分とこの作品から2015年までまた尺が短い。全編「尺がないから巻いていくぜ!」でテンポがよい。聖剣士だかなんだか知らないが、特に因縁もないのに喧嘩売られるキュレムさんかわいそう。。そして無益な戦いだと止めることなく意気投合するサトシとケルディオ。戦闘狂同士、馬が合ったのだろう。
 尺がないのでゲストキャラは実質的にポケモンのみ、物足りないがサクサク見れるので子供にはいい。とはいえ可愛いポケモンが不在で、聖剣士ーズも人語ペラペラなだけで皆戦闘狂のヤカラキュレムはスタートこそ被害者だが、よくある暴れる伝説ポケモンでしかない。鉄パイプを持って暴れるサトシは、この戦いが単なるヤンキー抗争だと暗示していたとかしてないとか……。
 フリージオを手持ちとするキュレムの方から襲ってきて、サトシたちがお尋ね者のように逃げ回る展開は新鮮。列車→地下鉄が舞台装置で、鉄道オタクが嬉しい展開かも。
 なんと今回ロケット団トリオがOPEDの絵だけで一切登場せずセリフもない! 事実上、皆勤賞ではなかったのか……。

神速のゲノセクト ミュウツー覚醒(2013)【2022/2追記】

ポケモン魅力:B 子供向け:B 大人向け:B
 以前(『逆襲』)とは別個体の、高島礼子verのミュウツーは神々しい、叱られたい…という個人的性癖は置いといて。
 ゲノセクトは見た目と変形機構が『Zガンダム』『ZZガンダム』に登場するMS・ガザC(特にSD)そっくりで、さらにのちの戦闘で味方個体がサトシをかばうところもまんまガンダムである。そのあとゲノセクトvsミュウツーの戦いを止めるサトシはヒューマニズムにあふれているが、君、前作もとい去年はポケモンヤンキー抗争に加担してなかったっけ。。脚本の都合が全てを優先する、サトシに信念などない!
 モブ・手持ち含め登場ポケモンたちも多く、前作と違ってロケット団も一応登場するし、トータルではよくまとまっている良作。ゲノセクトと同じ人間に造られた(改造された)ポケモン同士ということで、ミュウツーの再登場に不自然さはない。これがただネタ切れ、派手にするためだけ再登場だったらダメダメだったが。というかメガシンカミュウツーYを出すためで、だから声優も女性だったのか無駄がない!

破壊の繭とディアンシー(2014)【2022/2追記】

ポケモン魅力:A 子供向け:A 大人向け:A+
 ここからXYシリーズ、旅仲間が変わるが特に支障はない。AGシリーズのように旅仲間が兄弟コンビ+1の構成なので合計4人の道中は賑やかでいい。
 冒頭、姫ディアンシーと臣下メレシーたちの「ダイヤモンド鉱国」がまずとても可愛い世界観でいい。ディアンシーの旅の動機も健全で、サトシたちが同行する流れも自然。ゲストキャラの泥棒たち+ロケット団トリオがディアンシーのダイヤを狙うという展開もわかりやすい。子供向け良作かなと思ったら……厄災・イベルタルの登場で人間たち+ポケモンが次々と葬られていくシーンで一気にハード展開に。ピカチュウを石にされ、イベルタルに復讐を誓うサトシ……という闇堕ち展開が見たかった。それがあれば大人向けSにできたのだが。
 わけありで暴れている伝説ポケモンはこれまでもいたが、今回のイベルタルような人語を話さない上、一切話が通じない破壊神なのが珍しい。ポケモンは人間にとって厄災でもある。こういう有害認定されたポケモンは歴史上、国家や国連レベルの組織が討伐していったんだろうなという想像ができ、とてもリアルでいい。サトシの説得など通用しない、問答無用の敵、素晴らしい。ご都合主義、イベルタルと対になるゼルネアスがいたから最終的に皆助かっただけで、全滅ENDの可能性がとても高かった。どうも「ポケモンを悪役にしてはいけない(わけありで対立しても最後は必ず和解する)」という制約がアニポケ全般に感じられ、この作品はすごくギリギリを攻めてはいる。
 前半と後半で、子供向け大人向け、ほのぼのとハードといった相反する幅広い要素をカバーしており、75分という短い尺ながらとてもうまくまとまっている。本作は人間とポケモンの関係を問い直している。「ダイヤモンド鉱国」というポケモンだけのコミュニティがあり、イベルタルという人間の手に負えない厄災ポケモンがいる。どちらも人間からは独立した存在で、都合よくペットor家畜化されるだけがポケモンではないのである。が、既に述べた制約のせいで後者のテーマは不十分であり、惜しい。
 余談ながらディアンシーがダイヤを量産していったら、ダイヤの価格は暴落するに違いない。OP、上地雄輔のヘタクソな歌だけがとても残念。

光輪の超魔神 フーパ(2015)【2022/2追記】

ポケモン魅力:C 子供向け:A 大人向け:E
「元々は一つだった善と悪」魔人ブウ方式でフーパ自身の対決。オッサンの姿が山寺さんで、見た目も声も能力も何もかも完全に『アラジン』の魔人ジーニーじゃんか。。
 子供の姿のフーパも、元というか中身があのオッサンだと思うと全く可愛くない。伝説ポケモンたちを大量出現させ(今まで劇場版に登場したものとはだいたいが別個体の模様)、ポケモン魅力の評価が非常に難しいが、初出ポケモンを重視しCとする。
 ロケット団ニャースが「伝説祭り」と評した通り、ひたすら派手に、チート能力全開による伝説ポケモンのオールスター戦(さらに初出時はなかった追加姿、メガシンカもあり)。こんなことをやったらもうポケモン映画は終わりという焼畑農業ぶり。この年でもうポケモン映画を止めるつもりだったのか? 「ネタ切れでもう無理です」という悲鳴にも聞こえ、これが2017年以降の路線転換につながるのだろう。街中で激闘を繰り広げ、一体何人が巻き込まれて死んだのだろうか……いちポケモンの内戦にすぎない、こんなしょうもない戦いで。
 フーパの設定・能力自体はゲームからだと思うが、劇場版のストーリー自体は完全に映画を作った人間の責任、やっちまったな状態。劇場版初出時は偽物だったグラードン、バトル激弱だったラティアスラティオス、空気だったカイオーガあたりに活躍の場を与えるなら、もっと改めてフィーチャーすればよかったし非常にもったいない。ちなみに、これだけ派手にしても興行成績はたいしたことなかったようで。。伏線があったとはいえアルセウスまで登場させて、もう映画のラストは毎回出てもらえば?
 ラストは「空間の歪み」という自業自得の厄災(パルキア先生、お願いします!……あれ?いない)、そしてよくわからない精神論・根性論でフーパが成長する感動ものに仕立てているが、こういうあざとい演出は本当に憎むべきポピュリズムで、これに手を染めたらクリエイターとしておしまい。最終的に「空間の歪み」による被害はデセルタワー周辺だけだったとはいえ戦闘中に市街の被害は相当出てるし、街を破壊した=おなじみの悪党逮捕ENDじゃないの? 償い・復興の意思はある(ED絵で実際作業をしている)しフーパポケモンだから逮捕されない? 不公平だ! じゃあゲストキャラの飼い主二人を逮捕だ!
 お騒がせポケモンというか、こういう別の意味の厄災ポケモンも国連が管理しないと。まだまだポケモン世界は統治が行き届いていない。

ボルケニオンと機巧のマギアナ(2016)

ポケモン魅力:C 子供向け:D 大人向け:D
 ミュウツーの時にも感じたが、ゲスト俳優を人語を喋るゲストポケモンにするのはやめていただきたい。架空の王国が舞台なところはドラ映画っぽい。それはいいのだが、悪党の大臣に魅力が全くない。善良な王女王子&悪の大臣という構図はベタでもいいから、もう少し練ってほしい。この年から再び長尺に戻り、余裕はあったのだから。
 ロケット団ニャースに少し見せ場があるくらいで、レギュラーキャラもこれといって印象に残らない。「神秘科学」なる独自技術の設定、だいぶファンタジーっぽいのだが近未来のはずのポケモン世界とは相性が悪くないか。マギアナの元ネタ(ゲーム)が悪いのかもしれないが、「ポケモンでやる必要のない話だった」感が強い。そもそも500年前の「人造ポケモン」ってなんだよ、ただのロボットだろ。器械文明ファンタジー大作を作ろうとして盛大にスベっている。
 この映画以前にもメガシンカは出てくるが、今回はまさにメガシンカ祭りで冒頭にも説明がある。ネタ切れ対策としてメインに持ってこざるを得なかったのだろう。科学者でもある悪の大臣発明の誰でもメガシンカさせられる技術はたいしたもので、これを否定するのはテクノロジーの否定。そもそもモンスターボールも技術なんだから、嫌なら使うな。「絆」などという茶番をやめろ。
 いかん、褒めるところが一切ないと焦ったが、主題歌、YUKIポストに声を投げ入れて』だけはいい! …映画の内容と関係ないわ! というかこれも大人向けマーケティングか!

キミにきめた!(2017)

ポケモン魅力:A 子供向け:A 大人向け:B
 サトシがピカチュウと出会うTVアニメシーズン1の1話から始まるパラレルワールド(カスミ、タケシと出会わないルート)で、アニポケ入門作品としていい感じにまとまっている。子供や、旧シリーズを見ていない人向け。
 サトシの最初のポケモンが御三家(この時はヒトカゲゼニガメフシギダネ)ではなくピカチュウだったのは、遅刻した&その日の4人目で在庫がなく、ピカチュウが本来「恥ずかしがり屋で人に馴れにくい」ポケモンであり、さらに個体的にボールに入るのも嫌がるポケモンだったという設定はアニメ用の後付けながら見事。ピカチュウが最初全くなついていないところからの変化が見どころ。
 なおこの作品から、ロケット団を除くTVアニメシリーズのレギュラーキャラは一切登場していない。TVアニメを見ていない大人向けマーケティングだろう。今作の旅仲間トレーナー二人はいいキャラだったが、あくまで映画ゲストであり再登場はしないと思うともやっとする。パラレルワールド設定が、基本的に嫌い。

みんなの物語(2018)

ポケモン魅力:B 子供向け:D 大人向け:D
 サトシ・ピカチュウの活躍よりも群像劇スタイルとして練られてはいるが、メインの事件周りが子供騙しのストーリー、騒動・厄災のマッチポンプ感が否めない。
「震災タブー」があるから天災にはできなかったのだろうが、騒動の原因は完全に人災だし、それを人間とポケモンが協力して解決しました!って言われても。ポケモンはただ尻拭い、こき使われてるだけで人間のエゴしか伝わってこない映画。表面的には大人向け群像劇だが中身は完全に子供向けであり、バランスが悪く共倒れ状態。
 ポケモン映画全般に言えるが、ポケモン社会賛歌は何を訴えたいのかわからない。アニポケの世界観ではポケモンは人間に一方的に尽くしてくれ、人間をケアしてくれる都合のいい存在で、人間は搾取してるだけ、よく言っても善意に甘えてるだけ。ドラ映画のように人類と異星人やロボットとの「共生」を描くでもなくひじょうに薄っぺらい。

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(2019)

ポケモン魅力:B 子供向け:C 大人向け:C
 98年、初代作品のリメイク。当時はエヴァFF7ブーム、その辺を意識したのか妙に大人向けで、ポケモンに強引に持ってきたから薄っぺらい話になってしまっている。素直に自分を造った人間(人類)への復讐で世界を滅ぼそうとし、それを止めるサトシでよかった。「コピーvsオリジナル」でミュウツーがミュウに対抗意識を持つのはいいのだが、なぜかポケモントレーナーの真似事をして、コピー軍団を作りサトシらのポケモンたちと戦うくだりがいかにも恣意的で、作り話だなと白けてしまう。
「オリジナルvsコピーの戦いは可哀想」とかいうテーマは、同種族でもバリバリ戦わせるバトル大好き戦闘狂ポケモントレーナーが言っても説得力はゼロ。脚本に「言わされてる感」がひどい。
 伝説級が倒されて改心はカッコ悪いので、余力はあったが絶対に諦めない人間に心を打たれ、手を引くという王道展開でよかった。最初の映画でそれをできなかった&興行的にはヒットしてしまった(98年版72.4億だがリメイク版は29.8億、旧作のヒットは時流が大きい)ことが、「子供向けなのか大人向けなのかイマイチわからない」という負の遺産となったのではないだろうか。
 もっとラディカルに、人間だけを絶滅させ「ポケモンを人間たちから解放する」でもよかったが、それをやるとアニメポケモン世界観の否定になるから厳しかったか。ガンダムっぽくなってしまうが、そういうハードな話が観たい。
 この映画の見所はCGポケモンの動きだが、2019年にしてはCG技術がお世辞にも高いとは言えず、なんとももったいないリメイクになってしまった。。

ココ(2020)【2022/2追記】

ポケモン魅力:D 子供向け:D 大人向け:E
 制作陣は猛省してもらいたい。2017年からのポケモン映画の軌道修正(テレビシリーズとの切断&大人向け感動路線)は大失敗だった。旅仲間=ブレーキ役・ツッコミ役がいないので、サトシというキャラクターの魅力も死んでしまっている。サトシがピカチュウ以外のポケモンを使ってはいけない縛りも謎。
 本作最大の問題点は、悪役の薄っぺらい人物造形と演出。科学の力でアニメポケモン世界は発展し、人間はポケモンを家畜化してきた。ゼッド博士が別に悪人とは思わない。サトシ君、君がモンスターボールポケモンフードでポケモンヒャッハーしてこれたのは誰のおかげなんだ? こういう局地戦は歴史上あちこちであったはず。伝説or幻と言われてきたポケモンは昔はもっといて、飼いならされてきた歴史のはず、真面目に考えれば。そういうシリアスなテーマを描くならまっとうにやってほしいし、できもしないことをやらないでほしい。以下の記事のようなハード展開でやるなら大歓迎なのだが。
maoukpp.hatenablog.jp
 ラスボスがゼッド博士の巨大メカで、それをみんなで倒すってもはやポケモン映画じゃないだろこれ。。メカが木を無駄になぎ倒していく演出も「森を破壊する」露骨な悪人描写で萎える。周囲のスタッフも引いていき人望がない博士として描かれているが、これは作中の多数決で悪人の雰囲気を出してるだけ。別に森を焼こうとかザルードを虐殺しようとしたわけではないし、科学者としてまっとうなのはゼッド博士である。子供騙しの印象操作でしかなく、といってやられてスカっとする感じでもない。
 地理的に登場するのがザルートの森と近くの町のみ、行動範囲が狭く、単純に冒険ものとして退屈。さらにロケット団トリオが浮いていて、強制出演がもはや哀れ。主人公がサトシである必要性もなく、今の路線をやりたいなら劇場版はキャストを刷新するべきだ。
 細かいところで非声優のゲスト声優に高望みしてもあれだが、ココ役・上白石萌歌はところどころ可愛い声になってて少年成分が足りない。特に野生児らしさはゼロ、ココというキャラクターとのミスマッチが気になる。普通の(美)少年役なら問題なかったのに、気の毒な話ではある。
 登場するのはザルードの群れがメインだし、ポケモンの魅力も特に強いと言えない。親子もののお涙頂戴劇、先述の通り展開も地味で子供は退屈だろうし大人向けを狙って大スベりしている。岡崎体育の音楽はまあよかったが、音楽だけではどうにもならない。

まとめ・総評【2022/2追記】

 イチオシはセレビィジラーチディアンシー。次点がENTEIシェイミ。全体的に初期の方がデキがよく、だんだんネタ切れ・マンネリになり、特に近年は大人向けに走りそれでいて面白くない迷走気味、という総括ができる。特に2015年以降はほとんど見る価値がない。
 伝説級ポケモンも別個体の再登場が目立つ(セレビィは2020年『ココ』で3回目!)。台所事情として、基本的にゲーム完全新作が3年に一度でそのタイミングでしか新種が供給されない上、初期ほど人気のある伝説級ポケモンを生み出せていない。さらにアニポケ本編との兼ね合いもあるので、毎年やるのが苦しくなってきているように見える。
 2017年以降、アニポケ本編と切断してしまったのはどうなのか。現行シリーズでいうとゴウとコハルは劇場版デビューできておらず、なんとも不遇である。たしかに一気に劇場版を見ると各作品で旅仲間がまちまちだが、初見であっても別に話を理解するのに問題はないし、なぜ旅仲間を排除したのか理解に苦しむ。
 2022年はどうなるのか。夏以降にやるとしても、今の路線ではほとんど期待できない。ほかのシリーズもの映画と比較して気づいたが、監督・脚本がきわめて少ない人数で、ほとんど同じメンツでずっと続けていることが閉塞感の原因ではなかろうか。特に近年の大人向け路線は、元々不得意な人材が無理にやっている感じ。ゲスト声優よりゲスト脚本家を呼ぶべきだ。

おまけ・アニポケについて過去に書いたもの。
maoukpp.hatenablog.jpmaoukpp.hatenablog.jp