うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

松本人志問題が中高年男性に投げかけるもの

 松本・吉本帝国という一つの時代が終わろうとしている。ジャニーズのような崩壊はしないが、吉本以外も含む芸人たちが平氏のように権勢をふるった、「どの時間のテレビも芸人ばかり」という時代(象徴的なのがTBS系朝の『ラヴィット!』)は終わるのではないか。
 松本・吉本に対して厳しめのコメントをした同年代以上の大御所系、古舘伊知郎上沼恵美子西川のりおトミーズ雅和田アキ子ホリプロコムに対して)はさすがだった。一方、この状況に耐えきれずに松本を擁護してしまった今田耕司小藪千豊ブラマヨ吉田、オズワルド伊藤、チュートリアル福田、ハイヒールリンゴなどの芸人は評判を落とした。

 たいへんよくまとまった記事で、私も賛同するところだ。
gendai.media
 ちなみにというか完全に余談だが私のスタンスを一応書くと、昔は松本人志ダウンタウンが好きで90年代はテレビをよく見ていたが、坊主頭にしたあたりであまり興味がなくなった。その後特にアンチ化したわけではないが、近年のワイドナショーTwitterでの炎上は残念に思っていた。とはいえ、このネット時代に「子供・若い時好きだった著名人の本性を知ってしまいがっかりする」というのはよくあることで、深く気にしたことはない。

 さて、論点が多すぎて散らかりがちなこの問題、私は「ホモソ」と「趣味」の問題から紐解いてみたい。まずはホモソ。これまで書いてきたものは以下。
maoukpp.hatenablog.jpmaoukpp.hatenablog.jp
「ホモソ」はよくフェミニズムの文脈で、レイプ集団のようなイメージで批判されがちだが、元々はそんなことはなく、男女も関係ない。「大人になっても続く学校・クラス内のグループ」のようなものと思えばいい。で、良性のホモソは別に問題にならないが、今回のような「醜悪なホモソ」が世間的には問題になる。文春記事が100%とは言わないが、複数女性の証言、東京・大阪・福岡で飲み会という点から常習性と組織性は間違いのないところだろう。松本以外で名前が出ているのがスピードワゴン小沢、パンクブーブー黒瀬、たむらけんじ、あとは放送作家が一人、さらにクロスバー直撃・渡邊。この松本グループがホモソであるのは明らかだ。
 お笑い芸人というのは元来縦社会で、ホモソ要素が強い。吉本芸人だけでなく、芸人同士で「芸歴=同期か先輩後輩かを異常に気にする」のはテレビでもよく見る光景だ。外野からすれば「そんなことはカメラの前じゃない、裏でやってくれよ」と思うのだが。そんな芸人ホモソの最も醜悪な部分が今、クローズアップされている。

news.yahoo.co.jp
 延焼というか、松本人志とは無関係の外周部にまで告発が及んでいる。芸人全体のイメージが、大きく低下しているのだ。かつては暴露系エピソードトークで仲間内でネタにして笑いを取ってきたことも、完全にアウトになる。

 松本人志が女好きというのは、昔から知ってる人間からすればおなじみだった。が、この事件の第一報を聞いた時、私は「既婚・50代になってもまだそんなことをしていたのか」と驚いた。   
 松本のように金や名声を得た人間は特殊で、一般人がこんな飲み会をやることはない。だが、「これといった趣味のない人間の末路」という意味では、実は一般人にも無関係とは言えないのだ。特に男性は。
「趣味」問題については以下で書いてきた。
maoukpp.hatenablog.jpmaoukpp.hatenablog.jp
 趣味はやはりあったほうがいいんだなとしみじみ感じる。上記記事では批判的に書いているが、それでも「女遊び」よりはマシである。いや、女遊び云々よりもその「遊び方」がまずいというのは既に上沼恵美子が指摘した通り。
 人間、教養や品格が大事であり、何よりも趣味を持つことが大切。自分が所属しているホモソが醜悪なものになっていないか? という視点は忘れずにいたい。中高年男性は孤独になりやすくそこに生きづらさがあるが、「孤独の方がマシ」な生き方もあるだろう。
 私は、醜悪なホモソを作ったりそこにメンバーとして参加して楽しくやるよりかは、誇り高い孤独でありたい。松本人志の現状を見て、そんなことをぼんやりと思っている。