11月発売のポケモンシリーズ新作『SV』(リンク先公式)、女性キャラクターが可愛くないと評判である。たしかに私もそう思う。
【悲報】ポケモン新作、公開されたキャラに魅力がなさすぎると話題に【ポリコレ ポケットモンスター スカーレット バイオレット 】 - Togetter
キャラクターデザイン全般が「洋ゲーっぽい」「ポケGOっぽい」「教材っぽい」「ポリコレに屈した」などと言われており、海外展開(特に欧米)を意識し、そうせざるを得なかった。日本の萌えオタなどどうでもいいというビジネス判断である。萌え絵には批判的な私でさえも、ちょっとやりすぎているように思える。
任天堂(株式会社ポケモン)のポリコレ対策は万全である。スプラトゥーンシリーズは、最初から海外展開を狙ったキャラクターデザインをしているように見える。
が、今回記事の本題はそこではない。キャラクターデザインよりも、重要なのは「学校」ではないのか。
ゲーム・アニメともポケモンは元々ファンキーな世界観で、10歳のサトシが学校に行っていないことはわりと有名である。詳しくは以下の記事たちだが、
アニポケの公式設定とも言えるのがこれ。
【ポケモン】予想以上に深い、『ポケットモンスター』の裏設定まとめ - RENOTE [リノート]
生態系について詳しくはこちら。初代ゲームは動物がいたり色々と面白い。
【画像】ポケモンさん、ヤバい世界観の設定だった
ゲーム作品の世界は全てはつながっておらず、いくつかの平行世界で成り立っているそうだ。
【没・裏設定など】ポケモンの世界観と歴史の考察。時系列~平行世界と原作まで。 | おにぎりまとめ
ゲームはグレーだが「10歳の少年少女が学校に行っていない」ポケモン世界観がマズいと、近年徐々に軌道修正しているように見えるのだ。
まずTVアニメは前シリーズ『サン&ムーン』(2016ー2019年)で「ポケモンスクール」なるものが登場し、サトシは留学しているというストーリーである。もちろん義務教育ではなく大学や専門学校のような位置づけだろうが。
2018年の劇場版ではリサというキャラがいるが、公式サイトのキャラクターの紹介に「女子高生」とある。我々の世界と同年代の子が通う「高校」というものも存在するようだ。
現行TVシリーズ(新無印編)では、「スクール」という学校があり、コハルは普通に通っている。ゴウは不登校状態だが在籍はしており、たまに学校に行き試験だけは受けている。アニメの世界で、徐々に学校が存在感を増している。そして昔のシリーズの旅システムはなくなり、冒険・旅がほぼ日帰り、あるいはちゃんと宿泊するようになった。サトシの仲間はゲームのパーティーのような形式で「旅仲間」と呼ばれていたが、今は「旅」ではなくなった。これは、「10代の子供が野宿を続ける(家に帰らない)」ことのマズさを、確実に修正しに来ている。
『SV』の主人公は制服デザインであり、舞台も学校で「課外授業で冒険へ」というストーリーである。完全に「学校に行っている子供」である。
ゲームでは明言はされてないだろうが「10歳で成人」というポケモンの世界観は海外輸出の障壁となる。10歳で成人ということは、つまり10歳から婚姻も可能。性行為などもオーケーで、児ポは9歳以下しか存在しないことになるのでフェミニズム的にもいろいろとマズそうである。なので今回、しれっと小学生(?)主人公にした。
さて、我々の世界、リアルで「学校に行ってない少年少女」と言えば……そう、ゆたぼんである。本題ではないので深入りしないが、たしかにこれは児相案件だろう。
www.jprime.jp
あくまでもフィクションなのだから、ポケモン世界はそういう世界なのだから、10歳で学校に行かなくてもいいじゃないか。しかし、そのような「多様性」は許されないのがポリコレの掟だ。フィクションが子供に(あるいはその親)悪い影響を与えてはならない。そういう作品は世に出すべきではない、排除する。それがポリコレのやり方だ。
まとめると、世界展開するようなメジャーな作品において、ファンキーな世界観は許されなくなった。ポリコレとは、キャラクターの見た目や設定だけではないのだということ。少年漫画的な表現が一定の制約を受けるというか、学校に行かないなどの場合「言い訳」が必要になる。ファンタジー、時代物ならまだ許されるが、ポケモンは現代(近未来)なのがマズかった。
今回はポリコレ批判をしたいわけではない。現段階では、ゲーム表現が脅かされるほどではないからだ。だが、以下で書いたように
maoukpp.hatenablog.jp
ゲームというのはシステム上(強さや効率を求めると)、プレーヤーは「ポケモンの厳選・乱獲」のようなクズ行為を往々にして取ってしまうものである。不思議のダンジョンシリーズの「泥棒」など、一定のペナルティはあるが悪事を働くこともできる。こういった自由なゲーム性にまでポリコレが侵食してきたら、その時は戦うしかない。
2022.10追記
ポケモンSV、「主人公キャラメイクで男の娘!」と喜んでるオタクがいるけど、これをダブスタとか言う人は「キャラメイクが豊富になるのもまたポリコレ」ってわかってないんだろうな。ポリコレにはオタクが喜ぶ部分もあれば、そうでない部分もある。そして本丸はそこじゃないhttps://t.co/6BUO2LrQAp
— 千里のケープラ K++@壺を割る会 (@maoukpp) 2022年10月8日
性的指向はともかく「女性的な服装をしたい男性」というマイノリティへの配慮が、一部の性的消費萌え文化とたまたま合致しただけなんよな。その辺はオタク側もわかってなさそうだが
— 千里のケープラ K++@壺を割る会 (@maoukpp) 2022年10月8日
元々キャラデザは本題ではないが、念のため追記。自由度の高い主人公のキャラメイクと、固定で登場するNPCは全く別の存在である。その後の情報で、そもそも主人公の性別設定がなくなった模様。ストーリーに恋愛要素がなければゲーム上影響はないだろうが、うーん。。
ポリコレに配慮しつつ、ちゃんと後付け、NEW!という茶番で美少女キャラも出してくるところがあざといなポケモンSV。ただ身体のラインが微妙に出ないダボダボスタイルはイスラム的か、微妙に旧来の萌えキャラではない>RThttps://t.co/BBlulpwLQU
— 千里のケープラ K++@壺を割る会 (@maoukpp) 2022年10月14日
海外から批判されないように、そして国内オタクの留飲を下げるために後付け・発売直前に美少女キャラを公開していくところはあざとい。どうみてもジムリーダーキャラが直前までにできあがってないわけないのにね……。