うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

カルトが死ぬほど嫌いだ―その分類と対策

はじめに

 思えば迷走してきたかのように見える(実際そうだが)私の活動は、「反カルト」という意味ではずっと一貫していたことになる。
 統一教会のような大規模な、組織的カルトは今そこまで数は多くはない(被害者の数が依然多いのは、最近の報道の通りだが)。以前から主張しているが現代はSNSミニ宗教の時代、教祖は個人または1人ではない「界隈」、時には相互依存的であったりする。あるカルトの教祖が、同時に別のカルトの信者であることもある。これを「SNSミニ宗教の多重構造」という。私が。課金の手段としてはオンラインサロン、有料noteなどのコンテンツ販売、そしてリアルのイベント・講演、著書や各種物販がある。中でもクラファンなどのカンパ行為は悪質で、完全にカルトである。
maoukpp.hatenablog.jp

 カルトがなぜ許せないか、それは人の弱みに付け込み、不安や憎悪を煽り、搾取し、生活・人生を破壊するからだ。搾取というのは金銭だけではない。後述するが、言論系は「コスパのいいカルト」である。だが、それ以上に時間と労力を多大に吸い上げ、囲い込み依存させ、長期的には生活・人生を破壊する(破壊された自覚がないままの人も多い)。
 
 だいぶ前だが2016年、私がボイトレ評論家として最初に力を入れたのはこのカルト叩きだった。ボイトレ業界のカルトは長くなるのでここでは深入りしない。あくまで例示として(ちなみにここは新型コロナで活動休止になったが、来年復活をもくろんでいるらしいので、個人的にはまだまだ油断はならない)。
note.com

 それからブログを始め、手広くやってきたが、ネット言論(主に男女論)で一度は与した「陣営」も、だんだんとカルトな実態を知るにつれて嫌気がさすということを繰り返してきた。どれも、「弱者カルト」であった。
maoukpp.hatenablog.jpmaoukpp.hatenablog.jp
 最終的に、すべての思想系言論から「距離を置く」というスタンスになった。
maoukpp.hatenablog.jp

 今回は旧来の宗教団体=組織的カルトから、SNSミニ宗教までカルトというものを分類・整理したい。現代のカルトは4つに大別できる。

自責系

 統一教会のような宗教団体がこれである。入信するきっかけは人それぞれだが、身内の死・病気やケガといった悲しみであったり、漠然とした不安であったりする。
 カルトの人間は、不幸の原因は広義の自責、「先祖の霊が悪さをしているから」という論法で壺を売ったり、修行して自分を高めよと言ってくる。自己啓発系と重なる部分もあるが、信者本人に落ち度があるとするスタンスが自責系である。高額な献金を要求し、さらには2世信者という問題も生まれる。家族・親族にまで迷惑が及ぶ、社会にとって巨悪というべき存在だ。
 懺悔し、悔い改めるというのは宗教のお決まりパターンではある。既存の宗教も該当してしまうが、金額や拘束時間などが常識の範囲であればもちろん問題はない。

他責・他罰系

 主にフェミニズムと、その合わせ鏡であるアンチフェミニズムが該当する。きっかけは「生きづらさ」という悩みである。フェミニズムは、「あなたが生きづらいのはすべて男社会・家父長制が悪い」という、ある局面では正しくても、それを普遍化したり、飛躍させるところがカルトなのである。日々敵を探してきて、その敵(この場合は異性)を叩いて留飲を下げるだけで生産性がなく、妙な全能感を得てしまう。最初の動機はまともでも、被害者意識を煽り、次第に単なる逆恨みに変容してしまうところが害悪である。
 8/2のミヤネ屋では統一教会元信者の金沢大の仲正教授の話が聞けたが、カルトは「悩みの一般化・マクロ化」で勧誘してくる。彼は東大に入ったが、周りは超優秀な人間ばかりでコンプレックスがあったという。つまり、「あなたの悩みはくだらないことじゃない、世界的・普遍的なものだ」と。アンチフェミの非モテ系弱者男性論はまさにこれで、「モテないという悩みはくだらないことじゃない、高望みする女が悪い」という論法。「ネットの『ネタ』や『ノリ』でやっているだけ」のつもりでも、長期的には精神が侵食され、まともな社会人生活は送れなくなるだろう。
 また、特に悩み、不安や被害はないが特定の属性たとえば「オタク叩き」で喜んでいる界隈というのも存在する。芸能人など特定個人の「アンチ」集団も同様である。この場合は他責ではなく他罰、単に加害欲を満たしつつ、仲間内で盛り上がることを優先している。大人になっても続くいじめグループのような、論外のクズ集団である。一度入ってしまうとなかなか抜けられない、相互依存型のカルトと言える(教祖-信者ではなく、界隈のボスとその取り巻き、さらにその支持者という構図だが、ボス自身も依存者)。

【2023.9追記】余命事件や暇アノン事件などは教祖が絶対的存在で、よりカルト度が高い。
www.yomiuri.co.jp

自己啓発

 スキルアップ系と思想系にさらに分かれるが、まず前者は英語検定試験だったり、資格を取ろう、スキルアップし(あるいは副業や投資で)年収UPといった系いわゆる「意識高い系」の言説。一見まともに見えるが、選民思想的で外野から見た時にどこか気持ち悪さを覚えるし、これも広義にはカルトである。程度問題ではあるが、インフルエンサー(とても専門家とは言えない、どこにでもある情報を言ってるだけの素人)中心に属人性で盛り上がるところはネット言論系のカルトと全く同じである。
 思想系はたとえばメンズリブ、「あるべき男の姿を探そう」と言いつつ、その結論はだいたい決まっているし具体的なゴールは一切見えないカルトである。加害性のないフェミニズム男性はフェミニスト(女性)の仲間にも入れてもらえないので、このような形を取る。もっとも、「具体的なゴールがない」はすべてのカルトに共通する。「卒業」されたら困るからだ。
 自己啓発系は加害性が少ない分比較的マシだが、逆に内部対立なども起こりづらく、その分長期化しやすいところが要注意。彼らも加害性がないわけではなく、上の人間に意見したり喧嘩になったら、醜い本性を拝むことができる。
 メンズリブについては以下の記事に詳述してある。maoukpp.hatenablog.jp
 続編というか、新たなカルト。
maoukpp.hatenablog.jp

医療・健康系

 自分や家族などが、がんや難病などになってしまい、「怪しい治療」にハマってしまうケースがこれである。前述のボイトレ業界カルトも、実はここに該当する。自己啓発系と違うのは、マイナスからのスタートということ。あくまで「人並みになりたい」というのが動機であり、上昇志向ではない。これは金額的に高くなることが多く、自責系に次いで危険な存在である。「よそへ行っても無駄です。治せるのは私だけです」という囲い込みが多用される。リテラシーセカンドオピニオンが大切。カルトの中でもより苦しい立場につけ込むところが邪悪である。

占い・コンサル系【8/22追記】

 イマドキはこういうスタイルが流行っているらしい。
inotoru.blog.fc2.com
 「幸せになれる」「仕事がうまくいく」助言を求める占い・コンサル自体は元々根強い。相談相手のいない芸能人や経営者などがハマりやすく、たまに芸能人は「洗脳騒動」が起きたりする。相手は占い師ではないパターンもあり、要は話し相手、相談相手から発展したパターン。アドバイス内容次第で自己啓発系にもなるし、自責にもなる。
 コンサルという仕事は一応具体的な調査報告資料などをまとめるだろうが、そもそもが漠然とした不安から依頼されたものであり、占いと同類である。会社間の取引ならまだいいが、中身が担当者(あるいは代表)個人への依存だったりするとなお危ない。中小企業で「社長がコンサルにハマってしまい、おかしな改革をやり出す」ケースがこれで、社員側のコンサルへの怨嗟の声はネットでもよくある。これは実は、カルトに対する怒りだったのだ。

まとめ

 これを読んで「全ての団体、ホモソがカルトになってしまうではないか」と思った人も多いだろう。その通りである。恋愛もそうだ。個人間でもマインドコントロール状態になることは、ままある。特定個人に依存することはカルトの始まりである。「ホストやキャバ嬢に貢いでいる状態」というのは、恋愛商法だがこれも個人カルトと言える。
 かねてからアンチフェミ系ネット論客はカルトに理解を示し、「居場所のない人間にとってカルトも社会的包摂」などという主張をしてきたが、これはリベラルへの逆張りと自己正当化でしかない。そして、それを今、家庭崩壊や自己破産させる統一教会に適応するのは無理がある。彼らは今統一教会擁護に傾いているが、全面的に誤りである。現実を知らない人間の戯言、自分の親や兄弟が統一教会に入信したら止めるだろうし、2世信者の前で同じことを言ってみろ(逆にこれで、まともな人からは相手にされなくなるのでよかった)。

 カルト対策としては、「深入りしない」「掛け持ちする」の二点に尽きる。居場所や所属は複数持つことが肝心である。異性との付き合いは掛け持ちすると浮気になってしまうが、性的関係のないあくまで「友達」という存在はできればいた方がいい。これは浮気ではない、友達だ。俺で男友達の練習しろ。

日本人にとっての統一教会=男性にとってのフェミニズム(9/23追記)

 カルトの一般的手法として、「(本人に責任のない)罪の意識、原罪を植え付ける→救いを求めるようになる→メシア=教祖という信仰を植え付ける」がある。真面目な人ほどかかりやすい。
 で、統一教会が付け込んでくる「罪の意識」の一つに、「日本は韓国に過去ひどいことをした。だから日本人は韓国人に絶対服従」がある。これは日本人限定だが、メインターゲットが日本人なのでマジョリティというか、メインの洗脳方法と言っていい。一方、こちらは限定的だがフェミニズムは男性に対して「男性は歴史的に、女性を差別し虐げてきた。だから男性は女性に絶対服従」と言ってくる。
 つまり、男性原罪を植え付けるフェミニズムは、男性にとって完全にカルトなのである。フェミニズムに個人教祖はいないので男性フェミニズムにとって、メシアは特定の女性ではなく、女性全般となるが実際には「フェミ」女性全般、さらに具体的には著名なフェミ学者・フェミ運動家たち。だから男性学メンズリブはフェミ女性たちに伺いを立てて、お墨付きをもらうことがゴールになっている。あの気持ち悪い服従性の正体がわかった。ずっと私が嫌悪してきたカルトそのものではないか。
 フェミニズムの2世信者=親がフェミニストだった人の家庭も相当生きづらかったとは思うが、高額献金で家庭崩壊はしていない。フェミもカルトだが、反社会性が統一教会とは比較にならないので同列にはできないことは改めて補足、強調しておきたい。