うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

「自分軸」は最近流行りのカルト、警戒しよう

 最近こんなことをつぶやいた。
mstdn.jp
 ここ数年、「自分軸」というワードをTwitterのTLでもチラホラ見るようになって、Amazonで検索したら、ビジネス本でもここ5年くらい流行っている。ネットでこの言説にハマってしまっている人も散見される。が、この記事で批判されているように、全く無意味な論点だなあと。
note.com
 そして、このツイートにもあるように、


 要は「ストレスを与えられるよりは与える側になってやろう」という思想でもあり、見方を変えれば過激な思想とも言える。いじめの加害思想(いじめられるよりはいじめる側になろう)みたいで、生理的にも受け付けない。他人の目を一切気にしなくなったら身だしなみも何もしなくなり、街で奇声を発するやべーやつが爆誕する。

 カルトについては以前書いた。
maoukpp.hatenablog.jp
 ここでの分類で言うと、自己啓発-思想系になる。これで儲けているのは出版社・著者、インフルエンサーだけであり害悪性は高くないが、みんながみんなこの生き方をしたら人間社会は滅びるという点ではきわめて危うい。つまり、加害性が微量だが存在している。

 書店の「ビジネス本」というジャンルは第一目標は「仕事ができる」=スキルアップのためだが、だいたいが具体的なスキルではなく(そんなものは職種・業界による)考え方・思想(政治・社会的なそれではなく)がメインで、それが生きやすさ・メンタルヘルスにもつながっていくという実に雑多なジャンルである。
 この言説は最初から「真面目で内気で大人しい人」向けで、ヤンキーだったりギャンブルにハマってたり、キャバ嬢やホストにハマってたり、コミケなどのイベント巡りで散財しているような人は最初から対象外なのだろうが、そもそも本という媒体のターゲットが偏っているのかもしれない。「ネットでウケる」言説にはひじょうに偏りがあるが、本も大きく見れば同じなのかもしれない。本好きが本を買うから、ますます本好きのために本が作られていく。
 生産性がないというかくだらないので私はビジネス本は全く読まないが、ビジネス本というジャンルのファンにとってはこういうのが今はこういうのがウケる、ということなのだろう。少し前まで「聞く力」が流行っていた気がするし、節操のないビジネス本の愛読者が一つの言説に重篤化はしないとは思うが。
 社長などの立場のある人、権力者や政治家が「自分軸」とか言い出したらどれだけヤバいかは自明、実にガバガバでいいかげんな言説である。そんな「自分軸」言説の逆張りをするなら、こういうことになる。「他人の目や言うことを尊重して、謙虚に生きろ」。うーん、絶対にウケないw