うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

コロナ禍はお笑い賞レースにも深刻な影響を与えた

 2020年のキングオブコントは、非常にレベルが低かった。毎年ちゃんとフルで見ているお笑い通というわけでもないのだが、今年は明らかに特異だった。歴代ワーストと言っていい。
 ジャルジャルは安定していたが、他が弱すぎた。なんだか予選を見ているようだった。1回戦(ファーストステージ)で477点で大差をつけた時点で、もう優勝は決まっていたので「誰が優勝するか」という点でも全く見応えがなかった。とはいえ斬新すぎるお笑いゆえに評価が割れやすく、今までコンテストで報われなかったジャルジャルの優勝は素直に祝福したい。

 今年は審査方法も変わった。芸人の100人だと密になってしまう? それは間隔取ればいいだけの話だし、運営側の意向だと思う。個人的にM-1との差別化もあるし以前の形の方がいいとは思うが、それは今回のレベルの低さとは関係ないだろう。

 コロナのせいで、芸人たちは舞台の場数が踏めてないのだ。ネタとは台本を書いて覚えて終わりではない。舞台は本番であり、練習でもある。台本も修正していくだろうし、台本に変更がなくても間やテンションなど細部を整え、仕上げていく。
 比較的まともだったジャンポケも今ひとつだったのは、新ネタでの練度の問題だ。賞レースのために新ネタを書き上げてくるのは立派だが、今年は厳しかった(ジャンポケのネタを網羅しているわけではなく、推測に過ぎないが)。ベテランかつ二人だけの稽古でネタを仕上げられるジャルジャルが強かった。
 
 そんなわけで、年末のM-1決勝も不安である。漫才とコントではまた事情が違うのかもしれないが。
 お笑いに限らずあらゆる舞台芸術がコロナ禍により深刻な影響を受けているが、経済的な影響だけではなかった。品質・内容にも及んでいる。この文化破壊、今年だけで終わることを願ってやまない。