うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

仕事ができないきみへ、困ったら頼る「のび太力」をつけよう

 もうアラフォーの歳で、年下や後輩に教えることも多くなってきたIT技術者として、新人・若手向けにえらそうなことを言う。

 いきなりだがコミュニケーションの難易度は 連絡<報告<質問<相談<調整<謝罪 であると思う。形式的な報告の前に、すべきコミュニケーションは多い。
 質問・相談は一人でバリバリ仕事ができる人なら重要でないが、たいていの人はできないと成長が止まって死ぬ。無口な仕事ができる人は実はあまり喋る必要がないだけで、口下手に見えても実は喋れたりする。無能なミストバーンなんて最悪の人材、スキルがないなら喋ってなんとかするしかない。
 職種上、仕事であまり「謝罪」はする機会がないが自分の非を認められない人は滅びるしかない。仕事に限らず。いや、むしろプライベートか…またあの話になってしまうので省略。

 お笑い芸人の世界では、今売れている芸人でも往年の松本人志のような、「センスの人」に憧れていた(が自分は違った)という人は多い。ハスに構えて、大声は出さず、サッと一言で笑いを取る。クールでカッコイイとなるわけだ。これは仕事一般でも同じだ。お前は松っちゃんにはなれない、諦めろ。

 私はだいたいいつも、面倒を見ることになった相手には以下のようなことを言う。
「30分、45分作業が止まったら聞いてくれ。遠慮はいらない。私は育成係であり、そのためにスタンバイしている存在。むしろ作業が遅れる方が問題」
 仕事・作業が遅い人というのは、8割型行き詰まっていて進まないからだ。たまに作業自体が遅い人もいて、そういう人には「もっと雑・テキトーでいいよ」と言っているが性格的な問題もあってこちらはなかなか難しい。
 もちろん「やってください」「お願いします」という丸投げは質問ではないのでNGだが、質問や相談はどんどんしていい。このハードルが高いと、まだプライドもなく環境的にも質問しやすい立場の新人のうちはまだいいが、それを過ぎると一気に成長が止まる。

 IT業界の場合、直属でない=会社が違うから聞きづらいというのはある。SES、外注技術者の場合同じチームの下につく人が、同じ会社であることの方が少ない。職制上の「上司」は同じ元請けのチームリーダーだが、作業ベースではそうではない。権限はないし、こいつの評価なんて関係ないや、と思ってないだろうか。
 人事評価(早い話が「切る」か継続するか)だって、そのチームリーダーもメンバーの評価を結構聞くので実際影響はでかかったりする。こっちは正式な「レビュー」前に質問や相談をしてほしいのである。いきなりレビュー依頼出してきて、根本から覆ってやり直しになるのは時間の無駄だからだ。

 だが、これができない人が驚くほど多い。無駄にプライドが高いのだ。

ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想 (ele-king books)

ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想 (ele-king books)

  • 作者:杉田 俊介
  • 発売日: 2020/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 この本に触発されたわけではないが、雑なのび太論を展開すると、「のび太力」をつけようと今回主張したい。
 仕事に慣れるまでは頼っていい。現場の指導役はドラえもんなのだから。いつまでも進歩がないのは困るが、それでも基本的に頼っていい。同じ質問をしたっていい。教える側の労力を含めても、その方が仕事が早いからだ。欲を言えば、助言後のリアクションも独り言レベルでもいいからほしいところではあるが。

 それこそ出木杉のように仕事ができるなら別だが、リアルでは「できない出木杉風」が多く、のび太の方がずっとマシなのだ。ただ、「のび太のように頼っていい」とは言わないようにしている。ドラえもんファンでないと「のび太=情けないやつ」という負のイメージで、嫌な気持ちになる人もいるだろうからだ。特に男は。その無駄なプライドが害なのだが。
 なので、社会人はのび太力をつけよう。大人ののび太力DS!(そんなゲームはない)。