うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

選択的夫婦別姓と美味しんぼ

 自民党総裁が変わり衆議院解散、すなわち選挙が近い。なので政策的イシューを一つ一つ整理しておくことは重要だ。いつ政党から出馬要請が来るかわからないし、民間人入閣するかわからないからだ。そこまでいかなくてもいつ記者に突っ込まれてもいいように、見解は用意しておかねば。
 ネット言論で選択的夫婦別姓が話題になることは少ない。男女論としては局地戦というか、限定的な話だからだ。そもそも結婚に縁がない非モテ男には全く興味がわかない。実際には男女関係ない話だが、現実的には婿養子は少数派のため、どちらかというとフェミニズムの文脈でこの主張がされることが多い。
mstdn.jp
 このトゥートの通り、私は消極的である。補足すると、姓が違うと子供の銀行口座開設も厳しいようだ(同姓の方の親がやればいいとはいえ)。セキュリティが厳しいのはもちろん架空口座、不正利用させないためである。さらに言うと、夫婦だけならまだいいが子供が大きくなった時に複雑な問題が発生する。以下の記事に詳しい。
www.koukouseishinbun.jp
 事実婚だとたしかに法制度の優遇措置が受けられない、相続が弱くなるという問題はあるが、どうしても別姓がいいならそれも覚悟のうえでやったらいいんじゃないの。そもそも婚姻制度はイエの話だと思っているので、私はこの件には保守的なのである。

 選択的夫婦別姓を考える上で、『美味しんぼ』がとても参考になる。結婚後の栗田ゆう子がやったように、ビジネスネームとして旧姓を名乗ればいいのだ。たしかに仕事上、改姓するのは大変だ。名刺、名簿や人事台帳、メールアドレスからすべて変更しないといけない。
 そしてもう一つ。山岡士郎の「山岡」姓問題である。wikipediaにもあるように、彼はおそらく母方の親族の養子になっているはず。まさに選択的親子別姓である。
山岡士郎 - Wikipedia
「親子間の確執」ではおそらく裁判所は許可しないので改姓はできない(安易に改姓されたら社会が混乱する)。ものすごく珍しい名字ですぐ身元がわかってしまうとか、スーパーフリー事件の和田サンのように、犯罪者などが社会生活が送れない場合のみ改姓は許される。改名よりも改姓の方がハードルは高いのだ。
 何が言いたいのかというと、選択的夫婦別姓を言い出すと選択的親子別姓も検討せざるを得ないのではないか。両親どちらの姓も嫌だ、というケースもあるだろう。法的に親子の縁は切れないが、山岡のように姓を変えたいという人はそれなりにいるだろう。毒親問題にもつながる話だ。
 選択的夫婦別姓が実現した場合、おそらくそれ以外の改姓のハードルも下がることになる。さてそれはどうなんだろう、というところまでこの問題はしっかりと考える必要がある。なので慎重にならざるを得ない。……と、取材を受けたら答えよう。