うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

都知事選2024に見る、3つの衝撃と政治危機

 選挙結果では以前投票率の低さを嘆くこんな記事を書いたが、今回は60%と盛り上がった。それ自体はよいのだが……。
maoukpp.hatenablog.jp

 今回の都知事選挙、3つの衝撃があった。まず、暇空茜の11万票。石丸伸二の台頭と新時代。そしてまさかの蓮舫3位と立憲民主党の危機。

暇空茜の11万票

 私がTwitterのネット言論から足を洗ったので暇空に言及したことはそんなにない(がブロックはされている)が、もちろん大嫌いというか悪党と認識している。暇空はネット論客としてはやや後発だが、一番凶悪であり、勢いも今一番ある存在ではあった。
 私は事前に2万票と予想していたので、大外れである。支持者の願望以外で10万を予想した人などほとんどいないだろう。
mstdn.jpmstdn.jp
 東京都の各市区町村を40として、3000人弱も暇アノンがいると思うとぞっとする。が、冷静になってみると底辺ネトウヨ層の中で世代交代が起きたのだとわかる。「在特会」のような昔ながらのネトウヨは流行らなくなり、今はフェミニズム叩き、女叩きがそっちの主流である。よく見ると、そのラインでは候補者があまりかぶっていなかった。次、2025年の参院選(東京)に出ればいけるかも、と思わせるが今回が僥倖的大健闘なのかもしれない。選挙戦を熱心にしなかった、認知度が低いことが逆によかったのかもしれない。彼のことをよく知れば離れていく支持者もいるだろうし。

石丸伸二の台頭と新時代

 Twitterではネガティブな情報も流れており、「石丸構文」などと既にいじられているがそれを知らないまま投票した人も多かっただろう。これも、ぽっと出候補ゆえの認知度の低さが幸いした。もう一つ気になるのが、男女別投票のデータで男が多かったということ。つまり、自民支持・保守でも小池は嫌だ、リベラルでも蓮舫は嫌だという、「主義主張に関係なく女に投票したくない」層はいて、石丸がその受け皿になった可能性がある。彼の場合も、僥倖的大健闘だったと言えるかもしれない。
 石丸は無党派層の支持をつかんだと言われている。ネットを活用し若者アピールが強かったと言われるが、それ以上にフレッシュさ、新世代感が好印象だったのだろう。既存の政治家・政党がものすごく嫌悪されていて、閉塞感が強かった有権者に何かを期待させる存在だった。たしかに、「都知事選は国政の代理戦争ではない」という主張はうなずけるものだった。そして小池には勝てなかったが蓮舫に勝った実績は大きいというか、「大勝利」と言っていいだろう。余談だが今後の彼に期待するとしたら元銀行マンとして、『花咲舞』のクソ支店長役をぜひともやってほしい。ハマり役となるに違いない。
 なお、「テレビ・新聞といったオールドメディアの時代からネットの時代」などという意見があるが私はそれには同意しない。石丸は最初からテレビにも取り上げられていた。ネットでの強さは大事だが、暇空のような「ネットだけ」の人間は泡沫候補の域を出ることはない。ただ、ネットの影響力は強まってきており、昔よりもオールドメディアを見ない人は増えている。さらに無党派層が大きくなったこともあり、これまでの票読みが通用しない、混沌の時代に入ったとはいえる。

まさかの蓮舫3位と立憲民主党の危機

 立民の人間は共産党のせいにしているようだが、とんでもない間違いだ。自分たちこそが嫌われていることがわかってない。
newsdig.tbs.co.jp
「悪夢の民主党政権」ではないが(その後のカルト政権のほうが悪夢だが)蓮舫個人だけでなく旧民主党政権の面々へのヘイトは今でもものすごい。小池も蓮舫も表面的には「無所属」ながら、蓮舫は応援演説に立憲・共産の大物たちが出てきていたからほぼ茶番で、小池はそれを断っていたのが功を奏した。蓮舫陣営はなんのためのわざわざ離党してまでの「無所属」だったのか、戦術ミスである。大物が応援演説をすると大きく報道されやすい。テレビでそれを見たら、立憲・共産色丸出しじゃんとなる。
 都議の補選でも自民党は2議席だが立民も1議席しか取れていない。自民党が裏金で追い風のはずなのに、このていたらく。政権交代はもちろん、次の国政選挙で議席を伸ばせるかどうかも怪しい。
解党的出直し」と言った人がすごく叩かれているようだが、完全に正しい主張である。
mstdn.jp
 もちろん、蓮舫陣営も最初から小池に勝つ気はなかっただろう(支持者の手前そんなことは言わないが)。が、善戦して「肉薄」くらい行ければ今後の立民の勢いになる。都知事選は、今の政党人気のための見本市だったのだ。それがまさかの3位、惨敗。
 蓮舫個人も、予想以上に嫌われていた。
note.com
 この記事はその一端というか、Twitterでのネガティブ言及はやたら多かった。しかし立民の中で蓮舫以上の候補がいただろうか。エース格をぶつけて惨敗してしまったというのは非常にまずい。立民の政治家に限らずだが、新しいスターが出てきていない。立民こそ若手のインフルエンサーなどをスカウトし、世代交代を図るべきだろう(そういう人材は自民に行くんだろうが)。

まとめ

 3つの衝撃。特に最後のものは政党政治の危機とも言える状況である。政権交代する日は果てしなく遠いというか、私が生きている間はもう無理かもしれない。政権交代が起きるとすればそれこそ左派でなく、ナチスのような新興の右派政党がやる可能性が高い。本邦の政治は本当にまずいが、今に始まったことでもない。
 選挙・投票と直接関係ないが一番ヤバかったのはN国党による選挙ポスタージャック・転売事件だろう。公職選挙法の改正待ったなし。というか国家反逆罪的な新法でとっちめるでもいいだろう。統一教会への解散請求のように、クズ集団からは政党としての権利を剥奪すべきである。