没タイトルは「ツイッターでアルファになる方法」だったのですが、インターネットのマジョリティについて考察してみます。
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ノンポリ、中道、リアリスト
今までネット論客(とその支持層)を批判してきたが、今回はそれより広域な、ネット世論の空気について。大衆と言ってもいい。ネット論客たちの支持層にも含まれるが、コアなファン・信者ではない層。自分が投影できる弱者コンテンツが好きで、積極的に政治的発言はしないが一定の傾向がある層。
政治的な中道、穏健派を意味する英単語にmoderateがある。無党派層はindependentだが、彼らはそこまで無党派層を自称しない。「リアリスト」も好き好んで彼らは自称する。理想主義的なリベラルを冷笑し、自分は頭がいいと思いたいからだ。ノンポリの説明は不要だろう。
インターネットの大衆——それがタイトルにもした「自称・ノンポリで中道なリアリスト(NMR)」なのである。MMRみたいになってしまった。。
NMRアルファを警戒せよ
やりすぎるとネット論客になってしまうし敵も増える。ただの風見鶏で別に信念も何もないんでしょう。とにかくネットでウケることを言うプロ
— ケープラ K++ (@maoukpp) 2019年3月8日
アルファで言うとこの手の、ヒットアンドアウェイ的にたまに政治的ネタをツイートしてファボRT稼ぐ人たち。彼らにとって、NMRはお得意様なのだ。NMRアルファと呼ぶ。やってることは冷笑だが、「冷笑系」というとネット論客を指すことが多いので。
政治的イシューには深入りせず、敵を作らない。自分の主張が間違っていたらカッコ悪いし、訂正や謝罪などはしたくない。常に安全なところにいたい。前線に立つネット論客よりも、実に賢い立ち回りと言える。
政治家や経営者、芸能人などが何か不祥事や犯罪などした時のバッシングというのは、昔から週刊誌の定番ネタであるように大衆娯楽である(その是非は今回は置く)。それに加え、ネットには特有のバッシングネタがある。いや、バッシングまでいかない。本気を出さず、スマートに冷笑するのがカッコいいのだ。
彼らが冷笑・嘲笑する対象はいつも決まっている。それも底辺層というか、常にセレクティブ・エネミーをしている。もっとも最初に火を付けるのはネット論客で、NMRアルファはトレンドになったらそれに乗っかるスタンス。
NMRのモデルはこんな人
そしてフェミニズム叩きがわかりやすいが、NMRは男女共通。というかネットの女性は概して男性的な思想の持ち主であり、「インターネット男性性」集団なのである。
政治的には、だいたい以下のような立場が多い。Twitterももう10年、インターネット全体も高齢化というか30-40代がボリュームゾーン。今時の若者はあまりTwitterをこういう風(他人叩き)には使わず、専用垢運用が多い。なのでここでモデルとなるのは30-40代男性(性)。
- 旧民主党政権やそれ系の政治家が大嫌い。維新も嫌い
- なんとなく自民党を支持している
- 増税・社会保障負担増には反対
- 累進課税強化に賛成
- 小泉改革を恨んでいる
- 社会的な運動や活動をしたことがない
- 外交・国防についてはさほど意見がないか、あっても発信しない
全くもってノンポリではないのだが、なぜかノンポリであろうとする。他者のことを「過激な〇〇」と冷笑するが、自分は絶対にそうならないという信念を持っている。自分は偏りがなく党派性もなく中道で、バランスが取れていると思い込んでいる。社会に対して熱いを想い持ったり、運動を頑張る人が生理的に嫌い。選挙や住民投票などでは常に勝ち馬に乗り、「どちらが勝っても自分は損をしない、傷付かない」という高みの見物、その実ナイーブなスタンス。
ネトウヨのbioに多い「普通の日本人」「右でも左でもない」はたしかに大嘘だが、それと同じくらい「ノンポリ」も嘘なので大笑いしてあげよう。この、普通や中道でありたいという人の願望は一体なんだろう。食事のメニューなどで「大中小」があったら真ん中を選びやすい人間心理だろうか。
広い意味で政治的な発言をしているのにNMRを気取りたがる幼児性は、日本人特有なのかもしれない。最高にダサいですね。