うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

「ゼルダの伝説 夢をみる島」の人間たちはなぜリンクに協力的なのか

 発売日にNintendo Switch Liteを買った。『のび太牧場物語』をまずやる予定だったが、リメイクの『ゼルダの伝説 夢をみる島』と同時発売だったので、懐かしさのあまり買ってしまい、先にこちらをやっている。オリジナルは1993年である。ゲームボーイ(無印)は息の長いハードだった。もはや古典だ。
 本稿のきっかけとなった記事はこちら。日付が載ってないので詳細不明だが、10年以上前の記事と思われる。
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 上記記事では、なぜ「セイレーン」というワードが使われたのかという恐ろしい考察がある。他にもこれらの記事がおすすめ。
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 この作品は非常にエモい。表面的には「船が難破して孤島に迷い込んだリンクが脱出を目指す」話だが、実はその孤島(コホリント島)は異界であり、「かぜのさかな」が見ている夢の世界だった。ラスボスとなる「シャドー」が主(かぜのさかな)に対して「反逆」し、自己防衛のため永遠の眠りにつかせていた状態なのだった。
 つまり、脱出=かぜのさかなの目覚めであり、島は全て消滅する。最終的にリンクは魔物も含め、島の生物を皆殺しにすることになる…。とはいえ夢が覚めるのは本来自然のこと。いつかは滅びる。子供心(当時)に、なんて深い話なんだと思った。

 妄想ついでというか、今回はなぜ、コホリント島の人々(と動物)はリンクに協力的なのかを考察してみる。魔物たちのように、抵抗勢力になるのが自然なのだ。実は、「不老不死」が裏のテーマだったのではないか。
 不老不死を扱った別作品の話になるが、『Fate/stay night』の間桐臓硯(まとうぞうけん)は不老不死ゆえに精神汚染され、外道になってしまった。
Fate/stay night - Wikipedia

 コホリント島の住人たちは我々の世界の人間ではなく、所詮は夢。子供はずっと子供のまま、大人は最初から大人。おそらく数百、数千年生きてきたのではないか。結果、「何かがおかしい」と勘付く。ヒロインとなるマリンのように直接協力しなくても、リンクが何をやっているかは気付く。それでも何も抵抗しない。むしろ協力的。

 なぜなのか。

 我々はシャドーのおかげで永遠の命を手にすることができた。しかし、それは意味があるのだろうか。生物の本質からも外れているし、夢の中の世界でしかないので島から出ることはできず何もできない。本当の意味の生物でもない。これは無間地獄ではないのか。どうか殺してくれ……

 こんなことを考えていたのではないだろうか。間桐臓硯のようにはならず、悟りを開いたような状態。つまりコホリント島は魔物たちの生存派=抵抗勢力と、人間たち滅亡派の二派に分かれていたのだ。
 冒険の最初に、にマリンの父タリンが「いたずらタヌキ」となってリンクを妨害するくだりがある。これは「森のキノコを食べたせい」であり、「魔法の粉」で元に戻る。本人曰く「タヌキになった夢を見ていた」。

 本当にそうだろうか。

 きっかけは毒キノコだったにしろ、これはタリンの中の葛藤だったのではないだろうか。つまり、人間であっても「生存派」になれば誰でもすぐ魔物化してしまう。作中でその描写はないが、その逆もありえたはず。なにせ、全てがガバガバの夢の世界である。

  • かぜのさかなの寿命ってそんなに長いのか?
  • シャドーが眠らせたとはいえ、他者に物理的に起こされることもあるのでは? リンクが頑張らずともいつかは目覚めたはず

 …こまけぇことはいいんだよ! ともかく名作がリメイクされたんだから買って楽しめ!