うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

『鬼滅の刃』総評—ブームは過熱か本物か

 以前ふざけた記事を書いたが、その後アニメ2期を全て消化、劇場版アニメも観たのでその感想と、真面目な総評をしたいと思う。
maoukpp.hatenablog.jp
 漫画は読んでいないのでその後完結まで知らないで書くが、劇場版で上位クラスのボスも出てきてラストまでの道筋が見えたというか、全体のテーマは十分に掴めた。本稿では鬼滅の三つの特徴から、本質に迫ろうと思う。

 1年以上前の記事だが、この頃から話題になっていた。
oreno-yuigon.hatenablog.com

 鬼滅に出てくる「鬼」や「悪」から何を読み取るか、鋭い批評は杉田さんのシリーズを読んでもらえればいいし、何も付け加えることはない。
imidas.jp

 劇場版アニメまで観て、原作コミックをまだ8巻分しか消化していないことに驚く。アニオリエピソードを挟んだわけでもない、ダラダラ引き延ばしたわけでもないのに、だ。おそらく連載開始からきっちりと設計されたストーリーで、原作コミックに内容が詰まっている。これが第一の特徴。
 昔の少年漫画は最初はお試し期間で、『るろうに剣心』『幽遊白書』『スラムダンク』などその後人気作となる漫画でも、長編に入る前は1話完結ものをやっていた。助走期間に試行錯誤しながら、ウケるフォーマットが固まっていき徐々に路線変更していく。
 イマドキの少年漫画の傾向なのかもしれないが、鬼滅はそこが圧倒的にすごい。昔のスタイルなら鬼滅は序盤、特に1巻あたりは炭治郎が1話完結の人助け&鬼退治をやってて、そこから過去の回想が始まる構成だったはずだ。
 鬼滅は序盤は暗すぎるし読者アンケート人気が低い時期もあったようだが、炭治郎、ゼンイツ、伊之助の3人組体制になってから安定した。やはり王道要素は必要ということだろう。その後(アニメ化が決まった以降は特に)人気があるからと少年漫画にありがちな引き延ばしもなく、23巻で完結した。潔い、というより、作者としては最初から描きたいものだけを描く。人気があろうがなかろうが関係ない、というスタンスではなかろうか。逆にコンパクトにまとまっているので、これからの人も作品に入りやすくなった。その意味では決して、売上的にも悪くないはずだ。

 さて、劇場版の内容だが、「日輪刀、鬼殺隊、鬼狩り、柱、上弦・下弦の鬼」など用語だけはある程度押さえておく必要はあるが、初心者がいきなり観ても全然大丈夫な構成になっていた。原作通りなのにそこがすごいが、アニメの2クールが決まった時に、最初から「無限列車編」に照準を合わせていたのだろう。
 炭治郎の家族は原作1巻1話でいきなり惨殺されるが、その構成上の理由もわかった。回想シーンのような形で登場する、この劇場版の展開があるからだったのだ。全てにおいて、無駄がない。

 鬼滅のテーマは「鬼」=「悪」を倒すこと、その過程において自己犠牲だったり色々あるがそれは省略し、ともかく大きな柱としてそれがある。鬼は元人間なので、当たり前だが非常に人間臭い。杉田さんの評論にもある通り、鬼の悪=人間の悪である。
 そして、全くカリスマじゃないラスボス・キブツジ無惨には「悪をカッコよくしてはいけない」というポリシーが感じられる。劇場版手前の「パワハラ会議」を美化しているバカもネットには散見されるが、崇拝されるような悪役では全くない設計だ。
 もう一つの柱は家族愛である。劇場版では炭治郎と煉獄の家族が登場し、それが色濃く出ている。「才能ある者は、世のため人のためにそれを使わなければならない。強い者は弱い者を守らねばならない」煉獄家の教えはノブレス・オブリージュだ。これは作品全体のテーマだろう。炭治郎も「長男だから」と食いしばる場面が作品の初期にある。「仲間との絆」よりも「家族・イエ」に比重を置いたことが少年漫画としては珍しく、大ヒットにつながったと思われる。
 鬼滅の世界では、一般人が鬼に一方的に虐げられる「弱い者」として位置付けられている。しかし鬼殺隊は政府非公認組織だし廃刀令違反。人助けをしても、特に大衆から英雄扱いになることもない。給料はそれなりにいいようだが、リスクを考えれば報われない仕事だ(そんな中、異彩を放つサイコロステーキ先輩)。「鬼狩り」の動機はキャラクターそれぞれで違うが、危険を顧みずにやるという気高さ・献身が共通してある。基本的に鬼滅のキャラクターは皆変人揃いになっているが、それは少年漫画的演出で本質ではない。皆任務に関しては真面目な人たちだ。それは、現代の異能者社会人にも共通する。

 楽曲では劇場版の手前、那田蜘蛛山編の挿入歌『竈門炭治郎のうた』がイチオシ。
news.yahoo.co.jp
 那田蜘蛛山編でもボスの鬼が、配下の鬼を使って偽りの家族を作り、自分は末弟として生活していた(「家族ごっこ」に戦略・戦術上の意味はなく、完全な趣味)。これも人間時代のトラウマ、家族愛に飢えていたがための行動で、ここでも家族愛が裏返しのテーマとなっている。

 勧善懲悪と言えばそうだが、当事者の深刻さ・切実さからお気楽・単純ではない「悪を倒す」と深い家族愛、この二つからくる「まっとうさ・健全さ」が鬼滅第二の特徴であり、本質である。女性人気が高いのもうなずける。作者が女性と言われており(推定)、女性キャラへのセクハラ、男性読者サービス描写といったものが全くないのも安心できるポイント。ジェンダー的にはたしかに、安心して子供にも見せられる。
 少女漫画と少年漫画が完璧な融合を果たした、と言えるかもしれない。鬼滅は「少年ジャンプのバトルもの」という系譜で語られることが多いと思うが、男性作者が圧倒的に多い中かなり異端だと思うし(近年の漫画には疎いので的外れかもしれない)、数々の炎上を起こしてきたジャンプ編集部の体質が変わったわけでもないだろう。その異端児がたまたま女性中心に爆発的にウケ、ここまでのブームになったと推測する。

 鬼滅に散見される思想を根性論とか、シバキとか、マッチョイズムとか、家父長制とか、エリート主義とか批判するのは容易い。しかしそんなものはチェリーピッキングであり、作品を何も理解していないゴミクズである。それらは男女論でしかフィクションを見れなくなってしまった、いや、ものを考えられなくなってしまった「男女論鬼」たちの言説である。日輪刀で首をはねるしかない。

 ところで作者はなぜ鬼滅を大正時代に設定したのだろうか。「鬼は日輪刀で首をはねないと殺せない」という戦闘ルールがあるし、歴史上の人物・事件や設定も出てこないことから、別に大正時代にそれほど強いこだわりはないと思う。機関銃を撃ち込んでも、爆破しても鬼は倒せないんだろう。たぶん。
 その答えは、クリエイターとしては当たり前だが「描きたい世界観とマッチするから」だ。しょうもない批判をかわすためでもあり、かつ現代的な価値観とは距離を置きたい都合もあったろうが、それも作品世界に没入してもらいたいためだ。さらに、チャンバラを主体とする以上、画的にまるっきり現代よりは少し古めの方がいい(鬼滅隊士がスマホ持ってたら興醒めである)が、江戸から明治初期は既存作品・時代劇が数多くある。舞台装置としてある程度近代化していた方がいい、あたりだろう(大正時代の人物によるコンビニコラボはものすごく違和感があったが、それは原作とは関係ないビジネス)。

 やや脱線したが話を戻す。鬼滅最後の特徴、それは厳選された登場人物。wikipediaを見ればわかるが、敵(鬼)も味方(鬼殺隊)も、最小限でまとまっている。無駄な人物が一人もいない。少年漫画では初期に強力なライバル、または先輩格として登場するが、その後どんどん強いキャラが出てきて「かませ犬」扱いになってしまう例は非常に多い。このようなキャラの使い捨て、使い潰しが全くない。名前の難読漢字だけは例外として、キャラクター造形も子供にもわかりやすく、覚えやすい。

 鬼滅ブームはコロナ禍によるステイホームの影響も大きかったと思うし、どうみても小さな子供向けではないのに子供人気に関しては明らかに過剰であったと思う(そもそも「少年漫画」自体がどんどん対象年齢を上げている)。大衆も自らそれに乗っかったというか、「てっとりばやく国民が一体化できるツール」という側面もあった。だが、少年漫画としての実力は確かである。よく「もっと面白い漫画もある!」という声は聞くがそれはまた別の話。
 長々と書いてきたが、劇場版は初心者がいきなりでもおすすめである。2020年はコロナと鬼滅の年だった。来年は何が来るのか。アニメ化はまだ控えているし、当面はこのまま続きそうである。コロナ鬼も日輪刀でぶった斬れるといいんだけどな。

コロナ第三波は「ありまぁす」?くだらない茶番はもう終わりにしよう

※本記事のデータはすべて記事公開当時のものです

 コロナの第三波とか言われているが、それはあると思う人の心の中にだけ存在する。信仰の問題だ。

 コロナのおかげでテレワークが導入され、恩恵を被った人も多い。この国はいつだって、外圧などで追い詰められた時にしか変革が起きない。
 私も恩恵を受けた一人である。これまでもテレワークは技術的には可能だったが、正社員その他身分で差別されていたり、正社員でも育児や介護など特別な事情のある人しか認められない傾向にあった。それが一気に導入が進んだのは、間違いなくコロナのおかげだ。
 ありがたいことにテレワークの記事はかなりの数読まれた。私にとっては、仕事だけでなくブログの面でも恩恵があったのだ。

 さて、話は東京都。
stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp
 重症者は27日の更新時点で61人しかいない。上記サイトの「モニタリング項目(7)>テーブルを表示」で見ることができるが、重症患者は4月のピークでも100人しかいない。
 死者は上記サイト「 検査陽性者の状況>死亡日別による死亡者数の推移はこちら」から見ることができるが、ピークの4月で1日最大12人、以後はたいしたことない数字だ。肺炎で死ぬ人の方が多いだろう。累計でも488人しか死んでいない。URLが別ページなので一応貼っておく。
www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp
 国全体での死者は2000人。アメリカでは26.5万人も死んでいるので、いかに日本にとってはたいしたことない数字かわかる。人口比で同じ、日本で8万人死んだらそれはたしかに脅威だ。
 たった100人の重症者のために、1000万人の生活を犠牲にする。それが今の東京の生活様式わずか0.001%に過ぎない。反民主主義政策・行政であると言わざるを得ない。
 こんな茶番はもう、終わりにしよう。私は半年以上、リアルの知り合いレベルで、コロナ重症者はもちろん感染者すら一人も見たことがない。元々我が国にとってはその程度の話だったのだ。インフルと同列にはできないが、それより少し怖い程度の感染症。今年はインフルが激減しているらしく、逆にこれまでが無防備すぎたと言えなくもないが。

 経済は回すべきだが、一方でGoToのような不公平かつ弊害しかないバラマキにも私は反対である。
www.nikkan-gendai.com
 始めたり中止にしたり、朝令暮改の政府のやり方も混乱を招くだけでひどい。GoToは最初から、リテラシーの高い年収1000万弱あたりのアッパーミドル層向け。イートの方では貧民層にも恩恵が得られる部分もあるが、金額はたかが知れている。「ユーザーは関係ない、あくまで飲食・旅行業の支援だ」といっても、導入コストを考えたら大企業が、お得感を考えたら高級店ほど有利である。人気店ほど有利で、支援策のはずなのにネオリベ的という矛盾。弱小・個人経営店は潰れるしかない。
 政府の本音は「感染者数は増やしたくないから経済力のない底辺層は家で大人しくしていろ。マナーも守れるアッパーミドル層、それも万一感染しても重篤化しない高齢者以外だけGoTo使ってね!」だがそんな差別的なことは言えない。その時点でこの政策は誤り。

 コロナ禍以降、普段ノンポリな人でも自分の生活に関わるとなると政治に言及する人が増えた。特に小池都知事などは飲食店から蛇蝎の如く嫌われている。「都や政府の失政が周知された」「政治に興味を持つきっかけ」という意味では、コロナも悪くなかったのかもしれない。

『ポケダンDX』レビュー②:本編その後&もっと不思議のダンジョン

 画像は特にこの記事と関係ないが、謎のキャンプ屋プクリン(ちなみにコンプリートするとこのくだりは見れなくなってしまうので注意。なおプクリンだまはコンプリートしてたら役立たずかと思いきや、そのフロアだけ仲間になってくれる機能が)。
 この記事の続きです。
maoukpp.hatenablog.jp
 こちらのレビュー記事もおすすめ。
https://tokyo.whatsin.jp/591293tokyo.whatsin.jp

アフターストーリー

 本編で一応世界は救ったのだが、まだ完結していないアフターストーリーが残っていた。それがものすごく感動的で、素晴らしかった。総プレイ時間34hで「ゲンガー編」まで消化。本編だけだとやや短いが、これで一般的なRPGのプレイ時間となった。
 主人公&パートナーは選択制なので、ゲンガーとサーナイトが、本作で一番印象に残るポケモンだろう。不思議のダンジョンでこんなに感動させられるとは思わなかった。任天堂恐るべし…。
 以下二つのリンクはネタバレ注意。まず本編ED。
https://mutsukilog.com/pokedandx16/mutsukilog.com
 こちらがアフターストーリー(ちなみに旧作の記事なので攻略難易度は変わってて、リメイク版では難しくない)。
http://torogamer.fc2web.com/game/omoi.ketumatu.htm

不思議のダンジョン」のシステム上オートセーブ、元々ストーリーは一度しか見ることができない。エンディング直前以外にも名場面用に、セーブデータを残しておくことができない。感動的なのに、1回しか見れないところが切ない。探せば動画も上がっているので、今回ばかりはやむを得ない。だって見れないんだもの(これからクリアする人は、スクショやボタン長押しで動画撮りましょう)。

 おまけコンテンツとして、公式になんとゲンガーたち「イジワルズ」の結成秘話が(ゲーム本編にはないオリジナル動画)。
www.youtube.com

 さらに、サントラのようなもの。よくよく考えたら、音楽もよかった。
www.pokemon.co.jp

 DLCで追加ストーリー、ダンジョンがあったら絶対買ってしまうなあ。いい意味で、完全にやられた。というかストーリー回想モード入れてくださいよ…。

もっと不思議のダンジョン

 ゲーマーとしては「不思議のダンジョン」における本編は前座、地区予選。いわゆる「もっと不思議のダンジョン」のデキはどうか。過去の私が『ポケダンDX』でもっとも知りたかったことは、ここである(後述)。
 本作では

  • レベル・ステータス初期値(レベルは初期値が5)
  • アイテム持ち込みなし
  • わざ初期値
  • わざのセットも初期値(4つより多ければランダム)

 で、パーティーは連れて行ける「幸せの塔」と、それもできない「清らかな森」が「もっと不思議のダンジョン」に相当する。正直、この二つ以外のクリア後ダンジョンにはあまり興味がない。

 前回のレビューでも書いたが、本作ではポケモン集めはあくまでファンサービスであり、「いろんなポケモンを使いこなす」はやりにくい。
 なぜなら、ステータス成長アイテムの存在があるからだ。主人公&パートナー中心に注ぎ込んでいくと、それ以外の仲間がどうしても弱い。本編クリア後はパーティーを自由に編成できる(主人公&パートナーを外すことができる)が、結局ほぼ固定だった。結果、わざの強化も偏る。

 が、「もっと不思議のダンジョン」では前述の通り全て初期値で条件が平等になるので、どのポケモンでも気楽に使うことができる。これは思わぬ副産物だった。
 重要になってくるのは、初期習得含むレベルで覚えるわざやタイプとなる(後述)。ステータスに差はないので、必ずしも進化後のポケモンがいいとは限らないのが面白いところ。ダンジョン攻略のために、仲間を探したり進化させたりすることになる。

 未識別アイテムはないし、「清らかな森」でも道中の敵を倒して仲間は増やせる。難易度は選択ポケモン次第だが総じて「初代シレン」ほどではなく、かと言ってぬるすぎるというほどでもないという感触(後述)。全体的にリメイク前の旧作(DS/GBA)よりは簡単になっているので、「もっと不思議のダンジョン」も同様と思われる。
 何度も死にまくって、そのうちクリアしてやろう。不思議のダンジョンファンとしては、ここからが本番だ。

初代シレン 「フェイの最終問題」との比較【10/28追記】

 だいぶ勝手がわかってきたので、追記。最初「強キャラ使えば楽なんでしょ?」と思っていたら甘かった。いかなる強キャラを使おうとステータスは大差ない(配分のクセはそれぞれあるが合計値はほぼ変わらない)し、わざは4つだし、相性からは逃れられない。
 不満を述べているようだが、違う。とても歯ごたえがあっていい。ずっとこういう「もっと不思議」がやりたかったのだ。本編を含めると、子供からゲーマーまでオールレンジを対象とした、実に優秀なゲームだ。

アイテムは全て識別済み

 マイナスアイテムはなく、その点で序盤は楽。

アイテムスロットが足りない

 スロットは48と一見多いようだが、食料、PP回復、復活系だけでかなり圧迫する。救助隊ランクを最上位のグレートマスターまで上げれば56に拡張されるが、道のりは遠い。

装備は腕輪相当の一つのみ、攻撃防御はほとんど強化できない

 ポケダンでは「れんけつ」が合成に近いが燃費が悪くなるデメリットがあり、レベルアップ・成長アイテム以外ステータスの強化はできない。盾の代わりに「とくせい」「すごわざ」のパッシブスキルがあるが、これもステータス固定上昇はない。

ドロップ時点で使用不可能なアイテムがある

「せんたくだま」が全く出ないと詰む。シレンでもアイテムが呪われることはあったが、ドロップ時点で呪われていることがあるのはシリーズが進んでから。

食料事情が厳しい

 操作キャラしか腹が減らないため、3人PTでは気にならないが「清らかな森」ではきつい。さらに前述の通り使用不能のリンゴだったりする。「すごわざ」で対処もできるが、その分戦闘面が犠牲になる。

復活のタネ、プチ復活のタネは出やすい

 唯一と言っていい簡単になった点。しかしもろもろ難しくなってるのでトータルではあまり‥。

壺がないことで大幅に戦術が変わる

 保存の壺:食料を敵・罠ともにガードできない(おとりのタネがあれば可能)し、前述の通りアイテムスロットの拡張もできない。
 変化の壺:いらないアイテムを再生産できない。
 背中の壺:回復手段が乏しい。
 合成の壺:杖に相当する「えだ」の回数は自然に合成される(最大40)が、装備の強化はできない。
 分裂・強化の壺:前述の通り強化不能。増殖も不能
 倉庫の壺に関しては、「はいたつだま」が相当する。

泥棒は困難

「もっと不思議」でようやく泥棒する動機も出てくるが、かなり困難。序盤の遊びとしてやるのがいい。本編と違って宝箱とわざマシンは店売却行きなので、そこそこ金は稼げる。

毒のダメージが40とえげつない

 50ターン後とはいえスタート直後に罠にかかり、即死もありうる。序盤で回復アイテムもないと、急いで階段を降りるしか対策がない。これは本編も同様だが3人PTなので全滅はしないし、HPが低い期間は限られる。

1Fから敵は状態異常、アイテム破壊(食料・タネ系のみ)をしてくる

 その他、フロア数の割にレベルが高い、単純にステータスの高い敵も存在する。

投擲アイテムがキャッチされる(銀のハリ以外)、拾われる、投げてくる

 ポケダンでは本編との大きな違い。投擲アイテムは、眠っている相手への先制攻撃にしか使えない。当然、PP節約もできない。投擲強化の「すごわざ」もあるが…。なお『シレン』では貴重品だった銀の矢は、ポケダンではドロップで普通に入手可能。
 本作では投擲アイテムの威力がわざに比べて全体的に高く本編の難易度軽減にはなっているのだが、敵に銀のハリを拾われたりすると地獄である。拾った時にログが出るとはいえ、視界に入った時点で撃たれるのでなかなか厳しい。シレンで言うボウヤー系モンスターがポケダンでは敵にいないので、その代替案なのだろうか。いずれにせよ、「銀のハリ以外の無効化」と「誰でも撃ってくる」はかなりえげつない。

倒した敵がランダムで仲間になる

 ポケダンでのメリットだがそもそもソロではしんどい強敵が多く、あまり相殺はされてない。
 わざは習得範囲内から4つ、すごわざは持っているかランダムなので、ドロップアイテムだけでなく仲間についても運が大きく、重要(後述)。

自然ダメージを受ける天気

 自然回復がなくなってしまう感じできつい。序盤は特に、HPの低い仲間殺し。

HPはレベルアップだけではなかなか上がらない

 オレン・ドーピング頼み。序盤でオレンが二つ三つ出ないとかなりきつい。

敵もわざは4種類、何を使ってくるかは体感で覚えるしかない

 初見だとつらい。敵の特殊能力は基本的に一つだけだった『シレン』より高度になっている。

「相性」を把握する必要がある

 既にポケモン知識があればいいが、初心者はこれも学んでいくしかない。使用キャラによって苦手な敵は変わるが必ず存在するし、一撃死もありうる。攻撃時はZLボタンでターゲットとの相性が表示されるが、問題はディフェンス(後述)。

初代シレンにはなかった強アイテム【2021/7一部加筆】

 HPがえのえだ:ピンチの時、タイマンなら逆転できるしパーティーでない仲間に使用する方法もあり、面白いアイテム。
 ガイドのえだ:「ひかりのたま」がなくても階段の場所だけがわかる、ありそうでなかったアイテム。長いダンジョンの即降りがはかどる。
 ほういのえだ:タイマンで不利な状況でも、仲間が多ければ楽勝。
 とびこみのえだ:直線状の壁または敵まで一気に移動できる上、仲間もついてくるというデメリットのない高機動アイテム。食料の節約にもなる。終盤の逃げプレイがはかどる。「こうそくいどう」などの倍速系わざは効果がすぐ切れるし、早くフロアを巡回するにはこっちがよっぽど役に立つ。
 もろはのえだ:単体の強敵対処用で、これも終盤に重宝する。最大HPが120以上あれば半分でも60、一撃は耐えられる覚悟で使う。
 しばり・てきしばりのたま:前者の部屋だけでも強力だが、後者はフロアの敵すべてを行動不能にする。バクスイなどの状態異常はわざやとくせいで対策してくる敵もいるが、これは鉄板。フロア即降りにも大いに役立つ。店を出たターンさえしのげれば泥棒もはかどる。
 いちげきのたま:モンスターハウス御用達。

清らかな森クリア記録:オオタチ49【10/31追記】

 10/30に「清らかな森」をクリアした(名前あとの数字はクリア時レベル、以下同じ)。Switch Liteを毎日充電するくらいやり込んでいたとはいえ、こんなに早くクリアできるとは思わなかった。47Fあたりまで一度だけ行ったが、以降は完全に初見でのクリアだった。HPは160。

 一言で言うとすごわざ「したしみやすい」+「てだすけ」(レベル17)の勝利。やはり仲間(1人パーティーなので最大7人)が重要だった。序盤のタマタマ、中盤22Fあたりのレディバは攻略記事でもよく言われるところ(レディバは頑張って倒したのに仲間にならず。。)だが、とにかく仲間の力を借りるのが重要。
 完全に運次第だが、仲間の「すごわざ」にも大いに助けられた。特に投擲が当たるようになる「なげものアップ」。仲間は失ってまた増やしての繰り返しだったが、ゼロになることはほぼなかった。仲間が倒れた時は、基本的に見捨てる。「みなふっかつだま」はほとんど拾えなかった。仲間をすぐに補充できるのが「したしみやすい」の威力である。
 仲間の攻撃を強化できる「てだすけ」、これは自分は強化できないので、ますます仲間に戦わせる運用になったのも結果的に良かった。
こうそくいどう」は自分+仲間なのでこれも運用しやすい。移動速度アップ系、終盤の逃げにはたしかに役立つがすぐ切れるし、4つしかないわざ、特に初期わざとしては微妙かもしれない。終盤、PPの心配がなくなれば連発できるしたしかに強力ではあるのだが。

 攻撃面がイマイチなオオタチにとって、わざマシンきあいだま」(射程4で高威力)を早めに拾えたことは運が良かった。格闘わざは終盤で活躍する。どのタイプ、わざにも活躍できるフロアと苦手なフロアがある。選択ポケモンによって大きく視点が変わるので、奥が深い。まさに「1000回遊べるゲーム」の名の通り。わざマシンを拾えるか運次第だが、「ぶんまわす」はおそらく唯一の2マス周囲技なのでとても優秀(1マス周囲技は射程が微妙すぎる&部屋技は強すぎるので、2マス周囲技がもっと多くてもよかったんじゃ…)。
 苦手な攻撃が少ない(格闘のみ)ノーマルタイプというのも良かった。ほとんど遭遇しなかった気がする(要注意なのは50代フロアでのサワムラーエビワラーくらい)。パルシェンでは電撃系に何度も殺されていたので。「みず・こおり」タイプのパルシェンは、というより複合タイプは基本的に弱点が多い(耐性も増えるが、ハイリスクハイリターンである)。攻撃よりも防御・生存が命のポケダン「もっと不思議」においては耐性もないが弱点も少ない、バランスの取れたノーマルタイプ(複合ではない)が最強?
www.pokemon.co.jp
 わざだけなら「てだすけ」を初期で持ち、さらに「ねがいごと」で回復もできるラティアスがおすすめ(地面わざを無効化する特性「ふゆう」も優秀)。「ドラゴン・エスパー」タイプの弱点具合はやってみないとわからないが…。【2021/7追記 同じ運用ができるジラーチ(似たタイプはがね・エスパーで「てだすけ」「ねがいごと」を持つ)でクリアしたが、攻撃面がイマイチなのでラティアスの方がよいだろう。】一方オオタチは特性がぱっとしないのだが、タイプがものすごく優秀なのだった。また、レベルも上がりやすい。

 装備は本編でも大活躍した「みきりハチマキ」、初めて拾った「ともだちリボン」を使い分け(HPが減ったり、仲間が満員かつすごわざも十分ならみきり)。
 85Fあたりで、仲間も減りアイテムも徐々に無くなってきて死の予感がしたが、全体回復「ミルクのみ」を持つミルタンクさんが頼もしすぎた。
 99Fは「てきしばりだま」を使って終了。余っていたら最後に使おう。

【2021/7追記】新作のwikiができたので大変役に立つ。
清らかな森 - ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX Wiki*

幸せの塔、願いの洞窟クリア記録【11/7追記】

パーティーオオタチ35(したしみやすい)、パルシェン27(つうろひっちゅう)、タマタマ28(はんぶんのこす)※カッコ内はすごわざ
 幸せの塔はすぐにクリアできた。20代フロアで2、3回死んだが、最初から3人+すごわざ3つは強力で、序盤で全滅ということがまずない。
 オオタチの運用は「清らかな森」と同じ。遠距離技が少なく防御が安定しているし、フロア移動後に「てだすけ」を使う都合メインで操作する(CPUに任せると敵が出現した時しか使ってくれない)。「パルシェン+れんぞくひっちゅう」が攻略情報ではおなじみだが、つうろひっちゅうの方が汎用性が高い。特にハイドロポンプが強力。たまたまDXグミガチャで引いたのがこちらだったが、結果的に満足している。
 そんなつうろひっちゅうは強力で、連続技に限らずオオタチ、タマタマのわざも大いに強化される。「はんぶんのこす」はリンゴだけなら競合のすごわざとくらべて微妙だが、PP回復と復活も残ってくれるので汎用性が高い。とはいえそれでも強力なわざはPPが少ないので、どうしても不足しがち。CPUパーティーキャラのわざ、特に遠距離系はOFFにしないとどんどん使ってしまうので運用が難しい。
 たしかに清らかな森よりは簡単だがそれはガチガチの布陣にしたからで、メンツ次第で難易度調整ができ奥が深そうだ。

 続けて番外編として、アイテムは持ち込み可能な「願いの洞窟」。初回でクリア。パーティーは幸せの塔から3人目だけ変え、トゲキッス22(ちゆりょくじまん)にした。オオタチ28、パルシェン20。
 ボス戦(ジラーチ)があるので、99Fも頑張ってからの全滅は絶対に避けたい。結果的にみなむてきだま一つで倒せたがパーティー外の仲間は一人しか残らなかったので、けっこうプレッシャーがあった。
 みなむてきだま、みなこうげきだまを二つ三つずつは必須。案の定というか、一つしか持たなかったサブ装備みとおしメガネは罠でダメになった。。あと大活躍するガイドのえだは最大の40にしておきたい(私は20くらいだった)。それ以外は装備と定番系、ぎんのハリ、てきしばりだま、えだは「しばり」と「しのぎ」があればいい。
 全体回復系わざを持たない限り回復手段が乏しいので「ちゆりょくじまん」はありがたかった。強敵と戦ったあとや、特に爆発罠は仲間も巻き込むので。メインキャラはもちろん、メイン画面にHPが表示されないパーティー外仲間を失うリスクも減る。
 トゲキッスその他が持つわざ「ゴッドバード」は優秀だが溜めタイプなので、意外と邪魔になる曲面(CPUに通路で使われると移動ができない)も多かったので要注意である。
 20F過ぎに登場するチャーレムが清らかな森、幸せの塔の強敵とくらべても異常に強い。まともに戦ってはいけない、アイテムを惜しみなく使おう。最難関ポイントで、この数フロアさえ突破できればそこまで難しくない。なのでここまでは即降りせず、真面目に探索してレベルを上げた方がいい。終盤はガイドのえだの数だけ即降りするのみ、60Fまで行ければ安心。

 難易度は願いの洞窟<幸せの塔<清らかな森なので、完全にやる順番が逆だったが、改めて難易度の幅も広く、優秀なゲームだった。リメイクとはいえ、間違いなくゲーム史に残る名作である。Switchを持て余しているなら絶対にやるべき。

清らかな森クリア記録2:クチート44【12/24追記】

 一つのポケモンで百人組手しなければいけないポケダンにおいて、11耐性持ちのはがねタイプの鉄壁さは最強と言える。難易度調整には持って来いというか、ムズい!という人におすすめ。ポケダンで重要なのは攻撃よりも防御だ。本家やポケGOで活躍できなくても、圧倒的にここで輝く。毒無効&ダメージ天候「砂嵐」無効なのもポイントが高い。
 はがねタイプではエアームドハッサムが有名で、仲間にするのが難しいがルカリオもいい。そんな中私がチョイスしたのは、クチート(せまいところがすき)。メリットはタイプ以外にもあって、

  • レベルが上がりやすい
  • わざマシンで覚えられる技が多い
  • 特性「いかく」でさらに鉄壁
  • 「はがね・フェアリー」なので弱点はほのお・じめんのみ、はがねタイプの中でも防御が優秀

 じめんは部屋技が怖いので、どのみち全タイプ共通で警戒しなければいけない。ほのおは出現頻度も多いが、トータルでは鉄壁である。【2021/7追記 はがね・エスパーのジラーチでクリアした。トータルでは十分強キャラだが、耐性だけだとやはり見劣りする。】
 初期わざ・レベル20くらいまでに覚えるわざがいまいちでも、わざマシン習得可能が多ければ挽回できるし、わざを置き換えることでPP回復にもなる(これはレベルアップで覚えるわざにも言え、初期技で全て揃っているより置き換える方が回復になる)。

 クチートの初期わざは1マスわざしかないがアイアンヘッドとじゃれつくを主力に、豊富なタイプで敵に応じて使い分けていく。PPは多いのであまり切れることはない。ただオオタチの時と違って仲間は決して多くはなく、自力で敵を倒すのでそれなりに消費はする。一人旅の局面も多かった。「せまいところがすき」による回復が頼もしく、連戦でダメージを負っても安定感抜群。クリア時HPは195。
 わざマシンは50F以降の後半ではあったが、4マスわざのかえんほうしゃをゲットできた。特に80F以降の終盤で活躍した。
 30代フロアのデンリュウ(ほのおのパンチ)、ライボルト(ほのおのキバ)は要注意。いかにもな雷の見た目でタイプ不一致わざを使ってくる。その後は50F手前のブーバー、4マス技はじけるほのおを撃ってくる。50代フロアがウインディドンメルマグカルゴコータスギャロップとほのおタイプばかり出てくるので難所。即降りしよう。60代フロアはガラッと変わりこおりタイプが多く、一気に楽になる。やはり使うポケモンタイプ次第で、大きく景色が変わる。
 90Fあたりで「ぎんいろのかぜ」持ちレディアンレディバ含めて「外れ」ばかりで、清らかな森で引いたのは初)、全体回復はなかったが「なげものアップ」持ちミルタンクを仲間にした時は勝利を確信した。しかしすぐ倒されてしまい。最後までハラハラした。
 が、なんとかしのぎ、96-99Fは「てきしばりだま」を使って終了。使用後に湧いた敵は普通に動くので、油断は禁物。
 食料はいつものように余り、PP回復も今回は余った。復活系はちょうどゼロで決して余裕はなかった。

 おまけとして、こんなポケモンはおすすめできない。

  • 防御と特防が乖離している

 攻撃と特攻はそれでも良いのだが、問題は防御。パルシェンはこのせいで死にやすい。アタッカーとしては最高なのだが…。

  • 弱点が多い

 複合タイプに多い。優秀な組み合わせのポケモンを選んだ方がいい。

  • レベルが上がりづらい晩成型

 ドラゴンや、伝説級ポケモンに多い。レベルがしあわせのタネ頼みになってしまい、はっきり言って使えない。初期ステータスは高いので序盤で死ににくいメリットはあるが。虫ポケモンがわかりやすいが早熟型はレベル100に早く到達しても最終ステータスは低いままで頭打ちになるのだが、短期決戦のレベル5ダンジョンにおいては成長速度が速い方がいい。

  • わざのタイプが偏っている

 使用頻度の高い2マス、4マスわざが全て同じタイプだったりすると苦手フロアが銀のハリ(またはなげものアップ)頼みでキツい。わざマシンが入手できるといいが。

  • 役に立たないすごわざ

 番外編だが、すごわざがイマイチだったらガチャを回そう。ねびきこうしょう、げんきにつられる、けいかいほこう、おおたちまわり、ばくはつけいかい、やまいはきから、れんけつアップあたりは仲間が持っている分には嬉しいが、自分で持つにはもったいなさすぎる。

清らかな森クリア記録3:プクリン43【2021/5/3追記】

 グレートマスターになったので、アイテム枠は56に拡張していた。とはいえこれの恩恵を受けるのは中盤、30Fあたり以降である。
 すごわざは「なげものアップ」。スタート時点では投擲アイテムがゼロだし、序盤はそれほどストックないのであまり恩恵がないが、後半になるにつれ大活躍。石でもダメージが出るし、ハリならインチキくさい火力(しかも相性無効)。今まで仲間のポケモンが持っていることはあったが、やはり全体でも1,2を争うほど強力なすごわざだ。
 店は10回以上出現し、アイテムには恵まれた。ドロップは例によって使用不能も多く、30Fくらいで「せんたくだま」を取るまでは楽ではなかったが。このダンジョンはしあわせのタネとオレンの実がどれだけ拾えるかが大きい。HPは178、150を超えると安心できる。

 プクリンは初期技で全てわざを覚えていておうふくビンタが強力で、わざマシンで覚えられる技が多い。最終的に残りはソーラービームきあいだまはかいこうせんという布陣。装備はパワーバンダナを拾えたので、物理技であるおうふくビンタが強化され接近戦での安定感が強まった。
 ソーラービームは本編の主人公(フシギダネ)からずっと愛用していた。溜めタイプだが威力・命中ともに高く、イチから強化しないといけない清らかな森でも安心できる。相変わらず眠っている敵の闇討ちに最適だが、後半は相性面で出番はなかった。
 きあいだまオオタチの時と同様、後半大活躍する(とはいえ命中が低く外れやすいのが欠点)。ノーマル・かくとうわざの組み合わせで苦手をゼロにできるお手軽構成。
 はかいこうせんは今まで別のわざに乗り換えるまでのつなぎでしか使ったことがなかったが、使いこなせば強い(プクリンの場合タイプ一致になるのが大きい)。実質的に射程が5あるシレンでいう戦車の砲弾、爽快である。ドロップアイテムは何度か焼いてしまったが、味方に当てるミスはゼロだった。囲まれた時はもちろん、意外と2体以上の敵に当てられる局面は多い。慌てず恐れず使っていこう。

 相性面では、ノーマル・フェアリーなのでかくとうは怖くないがはがね・どくに弱い。50代フロアのフォレトスのヘビーボンバーは80くらいもらってKOされたので要注意である。ヘビーボンバーは射程1(正面)なので接近しなければ問題ない。とはいえ全体的にはがね・どくタイプの出現頻度は多くなく、基本4タイプが弱点よりはやはり楽である。
 仲間はずっと多い状態だったが90F手前で全て失い、その後は90代フロアで出現するハッサム2体のみで逃げ切った。80F以降の終盤はやはり油断できない。ここで仲間ゼロになってからが醍醐味、本番と言えるかもしれない。ふっかつは4つも余ったので、全体としては歴代で一番ゆとりがあった。

追記:セーブデータを消さずにやり直すには

 既に紹介したアフターストーリーの記事から引用するか迷ったのだが、やろう(ややネタバレ注意)。

なんらかの失敗は、後の努力でとりかえすチャンスがあります。
しかし、どんなに努力しても、
時として、絶対にとりかえすことができない「もの」も、
世の中には、存在している。これが、現実というものです。


おそらく、下は小学校の低学年の児童から、あらゆる年代のプレイヤーがひろく楽しんでいると思われるゲームの中に、ずいぶんと「重い」テーマが提示されていました。

 改めて感動的な一節である。この文章だけでも泣けてくるではないか。
 このシーンのゲンガーの台詞に「そして、たくさんの時間も過ぎていった。」とあるが、おそらく「古くから伝わるおとぎ話」のキュウコン伝説は、ニンゲンの時間とポケモンの時間が違うからではないでしょうか。
 おそらく、ニンゲンにとっての10年20年が過ぎていったことは、ポケモン世界では10倍くらいの時間。それが、「古い伝説」となっていたのではないか。そう思わずにはいられません。

 さて本作、セーブデータは一つだけ。前述の通りストーリーは一度しか見れない上、セーブデータを消さずにやり直すこともできない。。なんて鬼畜な仕様なんだ!

 もしかして、これこそがポケダンDXキュウコン伝説なのか?

 などと思ったが、抜け道はあった。本作に限らずSwitchのゲームはユーザーでセーブデータが分けられている。であれば、手段は一つ。
 ユーザーを追加すればいい。ニンテンドーアカウントと紐付けなくてもユーザーは追加できる。だから、大切なデータを消さずに本作にセーブデータを追加することは、できる。
 Switchユーザーにとっては当たり前のことだったかもしれない。私は1年くらいのニワカだったので、もしやと思って調べてわかった。役に立てば幸いである。

『鬼滅の刃』沼の鬼徹底考察—鬼のグルメ、人間に味の個体差はあるのか

鬼滅の刃』全体の評価は後日やるます。
 アニメ6話(円盤3巻)を見て衝撃を受けた。『鬼滅』の世界では鬼は人間を食べるのだが、16歳の娘ばかりを狙って食べる鬼が登場した。特に名前は設定されておらず、ネットでは「沼の鬼」「沼鬼」と呼称される。
 曰く、

「早く食わないと刻一刻と味が落ちる」
「女どもはあれ以上生きていると醜く不味くなる」

 最低すぎてカッコイイww ロリコンインセル鬼ww と私はゲラゲラ笑ってしまった(本編のシリアスな空気を無視して)。
 こういう最低な、変態野郎が成敗されるのがエンタメの王道である。インセルなどがなぜこの鬼を崇拝対象として持ち出さないのかわからない。あっさりやられるから?(実際には「オタク」ではなく、『鬼滅』など見てもいないのだろう)。

 さて、我が国の判例でも、殺人は殺人でも女子供ばかりを狙って殺したら、より重い刑罰になる。人間の命は厳密には平等ではない。それを異常に憎悪するバカも多いが、そういう社会規範は存在する。存在するからこそ、この悪役は引き立つのだ(作者もそれをわかってやっている)。中年男性が一番美味しいのなら、彼はそうしていたかもしれない(鬼にとっては人間は圧倒的に弱いので、難易度は同じ)。

 問題は、性的嗜好の有無だ。単なるグルメかもしれない。つまり鬼の中の山岡さん、そのうち調理法にもこだわったかもしれない。
 羊肉ではラムとマトンは区別されるし、前者の方がクセがなく一般的に人気。仔牛肉は高級食材である。なのでグルメ的に考察すると、一応の整合性はある。既にどこかの宇宙で、人間(地球人)が食肉になっているかもしれない。年齢はまだしも性別による差があるのかも謎だが、そんなものは人間を食う当事者=鬼にしかわからない世界だ。

【10/24追記】12話でゼンイツが戦った鬼も「(子供は)舌触りが良さそう」と言っていた。「子供」だけであれば、鬼共通のグルメなのだろう。

『鬼滅』は大正時代なので、16歳を狙う=ロリコンという価値観は今ほどは当たらない。「若い女性」には違いないが。
 そもそも鬼が人間に欲情するのだろうか。『鬼滅』の鬼は元々人間なので、食欲と性欲がごっちゃになってしまった可能性はある。6話では被害者1名、未遂に終わったのが1名、いずれも美少女だったので怪しい。しかし、それは単に作画の都合であり史実は違うかもしれない。史実ってなんだよ。

 法的な罪、現代での裁判の量刑は同じでも動機が気になる。容姿に関係なく、16歳の娘なら誰でもよかったのか、容姿込みで選り好みしていたのか——沼の鬼さん本人に徹底取材してみたかった。だが彼はもう、鬼殺隊とかいう過激集団に殺されてしまっていない。
 真相は闇の中である。一つ言えることは、『鬼滅』はまだ消化中だが、私の中では間違いなく沼の鬼さんは歴代トップの鬼となるだろう。スピンオフの外伝とかやってほしい。

【10/17追記】声優さんからこんな分析されてました。たしかに収集してるのは言い訳できな…いや、あくまでグルメ、現代人が飯の写真を撮るようなものだ!(沼の鬼弁護団)。
times.abema.tv

非モテ論・男女論を心から冷笑する自由戦士

 前回記事の続きなのだが、非モテ論や男女論というのは本当に、オーディオ趣味以上に、人生でこれといった趣味を持てなかった人間が飛びつきやすい趣味なのだなあと痛感、そして冷笑している。フェミ・アンチフェミ問わず、哲学・思想で武装するインテリはもちろん、そうでなくても。
 
 この記事で書いたように、
maoukpp.hatenablog.jp
 弱者、被害者、当事者、マイノリティは弱者4大属、ネットでも声がでかく仲間が集まりやすい。しかしそれはエコーチェンバーの無間地獄と地続きである。やめた方がいい。ネットで「悪い仲間」と付き合っても、親は叱ってくれないが。
 非モテ論に関しては「当事者」、「誰にも口出させないぜ、女は黙ってろ、非モテ男の苦しみは当事者以外にわかりはしない!」という男がのめり込みやすい。やめとけ。一流の批評家・評論家ならともかく、ネットの凡人・素人が真似してもいいことないよ。
 非モテ論って結局、恋愛経験があったり既婚(事実婚含む)の元非モテ、「アガリ」の人間の貴族趣味なのであって、ガチの非モテがいくら頑張ってもインセル方面の他責(女叩き)になりがちでバカにされるだけ。

 たまたまパートナーを見つけられ上手くいっただけの「インテリ非モテ論」にしても、再現性がない机上の空論だから一般人には役に立たない。無駄に「加害」にビビる=自責(自己嫌悪・男性嫌悪)になって苦しいだけ。まだ恋愛ハウツーでも読んでいた方がいい。
 いわゆるツイフェミも、男の怨念系アンチフェミも同じで、ネットの男女論は本当に無駄なのだ。そんなことをやってるからますますモテないし、一生不幸なのだ。男女双方ともに同じ穴のムジナだし、いっそのことお前ら、付き合っちゃえよ(低俗な冷やかし)。
 あとインテリ非モテ論=意識高い系も、直接インセルなどを「叩き」はしなくても、間接的には他責になるんだよそれは。ナイーブな人間ほど、「実践できてない自分はダメだ」と思っちゃうんだから。アカウント作って発信してる時点で「運動」なんだから、「啓蒙して、男たちを変えてやりたい」というパターナリズムを認めよう。

 いま、私は非モテ論や男女論を心から冷笑している。これはTwitterのファボRTには一切見えない数字だが、仮にTwitter(の一部の界隈)でウケていてもそういうカウンターがいることを知ってほしい。そう、これも一種のサイレントマイノリティ。なんでもいいから何か趣味を持てよ、ネットの男女論を一生やっていくのか? むなしくないのか、そんな人生。

非モテ論にいっちょかみ、または柔肌リベラルへの愛のあるダメ出し

fuyu.hatenablog.com
 この記事は非モテ論の分類・まとめ記事としては優れている。さすがエアネット論客というか、ネット言論を日々読んでいるだけのことはある。これまで避けてきたネット論客の具体名を挙げながらの引用は、大きな進歩と言える。
 これを書いた環には遺恨があるし、その後デマまで撒かれた相手なのだが、私は寛大かつ公平な人間である。認めるところはちゃんと認める。能力と人格は別の話なので。
 ただ、肝心の小野ほりでいさんへの反論・主張部分がガタガタである。それについては後述する。

 環の記事では非モテ論をまず「恋愛可能性を目指すか、放棄するか」で二分している。で、恋愛工学までいかなくても前者をまず「恋愛ハウツーはナンセンス」だと言う。非モテは「絶対的恋愛不可能性」を持っているからだと言うが、その説明がない。いや、『電車男』のような逆転劇は世の中に溢れているし、夢見ている非モテだっているでしょうよ。環の定義では、私は非モテではないことになる。
 そもそも「非モテ」の定義を提示していないので、誤解されまくりで危うい(案の定、ブコメは荒れている)。ここでの非モテとはイケメン芸能人のように不特定多数にモテまくることではなく、『非モテの品格』(杉田俊介/集英社新書)から引用するとおそらくこうなる。

非モテ3:「性愛的挫折(恋愛未経験/失恋を含む)」がトラウマ化し、あたかも人格の一部となって、常日頃から、非モテ意識に苦しめられ続ける状態のこと(第二章、96ページ)

 顔面や気質はそう簡単に変えられないが、ファッションを再構築する、髪型を変える、太っているなら痩せる、スキンケアの努力をする…そういった身だしなみの努力はすべきだし、会話術も学べるところは学ぶといい。その努力はたとえ結果が出なくても尊いし、マクロに見れば好印象を持たれやすいので目先のモテ、恋愛以外で役に立つ。
 それらの何がいけないのだろうか。非モテが恋愛に「絶望しているか、してないか」は個人差があるだろうが、前者=恋愛に前向きに努力できる状態ではないと限定するのは視野が狭すぎないか。

 そして、小野ほりでいさんへの反論・否定は「共感できない」というお気持ちで終わっている。期待していたのにがっかりである。小野さんの記事はフェミニズム的に正しいから、正面から反論できなかったのだろう。

非モテが恋愛を経験すること」と「女性の人権を尊重すること」の両立には何か決定的な相性の悪さがある

 という雑感止まりだ。これについては、ミクロレベルでは「気にするな」で終わる。ミスチルの歌にもあるように、恋なんてエゴの戦士でいいのだ。ネットでマクロに意識高いことばかり言ってるとますます自分自身は生きづらくなってしまうが、男女論やってる非モテ男にはありがちな症状だと思う。
 私に言わせれば非モテ論などくだらない。恋愛可能性を潔く諦めるか、それができないなら努力するしかない。そして後者=努力で結果が出なくても最終的には、『非モテの品格』にも書いてあったように、絶望して腐ったり暴力に染まったりせず気高く生きよう。だからインセルなど論外。それで終わりの話。

 さて、上記記事の二つの批判、論点は実は共通している。それは他者に何かを「押し付けること」だ。

 環のようなパターナリズム大嫌い優等生の、「柔肌リベラル」の限界がここにある。目指すべき社会の理想はあるが、それを他人に押し付けることを極度に嫌い、結果、何も言えなくなってしまう。だから分析止まりの記事なら書けるが、それ以上の発展がない。だから、過去記事でラジオの失言で炎上した岡村隆史に対して「変わらなくていい」とか寝言をほざいてしまう。

 今回は、かつてそれなりに親交があった人間として、愛のあるダメ出しをしたつもりだ。誹謗中傷と取るならそれでもいっこうにかまわないが。

『ポケダンDX』レビュー①:新生・不思議のダンジョンとして文句なし、長い付き合いになりそう

 まずお知らせだがゲームの記事が増えてきたので、「ゲームレビュー」タグを先頭につけることにした(タイトル上の階層メニューにも表示される)。

 私は元々『風来のシレン』の大ファンである。何を隠そう、このブログのタイトルもモンスター名から取っているくらいだ。
 しかし初代のDS版リメイク(2006年)の余計なアレンジに幻滅し、シリーズ4・5はゴミになってしまい(3とGB2は未プレイ)遠ざかっていた。初代については、Wiiの時のVCのような完全移植版が待たれる。
 それでも久しぶりに不思議のダンジョンシリーズをSwitchでやりたいなあと思っていたら、タイミングよく新作があった。コラボのポケダンシリーズである(チョコボ版もある)。スパイクになってからのチュンソフトは本当にダメなので、別会社が開発した方が間違いない気がする(公式サイトによると、制作:株式会社ポケモン/株式会社スパイク・チュンソフト)。
【11/15追記】シリーズ4作目のインタビューだが、シリーズの始まりも。チュンソフト古参のスタッフが関わったとのこと。
www.nintendo.co.jp

概要・ゲーム紹介

 やや脱線したが、『ポケダンDX』は今年出たばかりの、ポケダンシリーズ初代のSwitch版リメイク(DS/GBA版が2005年)である。単なるリメイクではなく、大幅に改修されている。旧作はプレイしていないので、細かな比較はできないが。
www.pokemon.co.jp
 リメイクによる違いの概要はこちら(攻略も他の記事にある)。
game8.jp
 レベル継続、アイテム持ち込み可、集団戦法前提と、どちらかと言えば「不思議のダンジョンベースのRPG」である。本編を19h弱でクリア(15ー20h程度で可能。【2021/6追記】勝手がわかっている2周目は12h、3周目は10hでクリア)したので、そこまでのレビューを書く。

ここがイイ

快適な操作性と動作

 まずZRZLボタンまでフル活用した操作性。こちらの記事で書いた『ゼルダの伝説 夢をみる島』の時のような不満は一切ない。
maoukpp.hatenablog.jp
 さらにLボタンによるオート移動(設定の自由度もある)、「さくせん」選択によるパーティー運用とシリーズの進化を感じさせる。パーティーが3人、ダンジョン内で仲間を増やすと最大8人編成だが、大勢でも詰まることなく移動も快適で「入れ替え」を使う必要はあまりない。グラフィックは綺麗だが重くなることもなく、動作もサクサク。

絵本のような可愛いグラフィック

 まず、とても癒されるし没入感がある。私はポケモンは原作ゲームもアニメも一切知らないが、ファンにはたまらないだろう。
 この点も『ゼルダの伝説 夢をみる島』と同様で、素晴らしい作り。400以上ものポケモンの動きのあるグラフィックを新規に起こすのは大変だったと思うが、この資産を生かしてSwitchでまた続編を作れるはず。

絶妙にマッチしたポケモンの「わざ」「タイプ」「特性」「移動タイプ」

 わざを4種類セットし使っていくのはポケモン原作同様だが、ポケダンでは中でも2マス、4マス、部屋全体攻撃系が強い。ただ当然敵も使ってくるので、バランスは取れている(「連結」はプレーヤーだけだが)。全般射程は長めなので油断ならず、『シレン』の時とは敵との距離感が違う。
 また変更できない「タイプ」と「特性」、さらにステータスには表示されない「移動タイプ」も膨大な数のポケモンがいる中、個性化に役立っている。

ポケモン「だけ」の世界観

 主人公も、敵も味方もNPCもすべてポケモンという世界観である(主人公とパートナーは候補から選択。後述)。なので、悪役含め全てを既存ポケモンにキャスティングしている(リンク先公式)。ポケモン原作とは違った味が出ていてよい。ポケモンたちはしゃべり、通貨は「ポケ」と貨幣経済が成立しており、町があり、ポケモン社会が形成されている。
 ストーリーもシンプルながら悪くなく、不思議のダンジョンにはこのくらいでちょうどいい。

圧倒的ボリューム

 本編はそこまで長くないが、豊富なクリア後ダンジョンとストーリーにより満足度が高い。「伝説のポケモン」など一通り戦って仲間にでき、ポケモンファン向け演出にもぬかりはない。本編クリア後、ポケモン進化も可能。

町は一つだけ、余計な要素なし

 ダンジョンは全てコマンド選択、移動で混乱するようなことはないし、ストーリーが詰まることもない。ゲーム慣れしていない人でもプレイできる。攻略サイトを見なければいけないような状況がなく、ストレスがない。

声優なし

 ジャンル問わずイマドキのゲームは声優が当たり前になってしまったが、これは長所である。「人間不在」世界のメリットでもある。もっとも人間キャラがいるポケモン原作も、最新作でも声はない。これがテンポを損ねず、実にいい。
 ファミコン時代から30年ゲームをやってきたが、「ゲームに声はいらなかった」が私の結論である。声優でオタクを釣るより、ゲーム性で勝負している作品こそ本物だ(アクションゲームの効果音的な声ならまだしも)。任天堂はそれをよくわかっている。

ここがイマイチ

本編の難易度がぬるすぎる

 全般、不思議のダンジョンとして簡単。本編ラスボス(レックウザ)はまあまあ強いが、レベル上げ+復活アイテムさえあればゴリ押しできてしまう。【2021/12追記】ボスのダメージは継続なので、もし負けても2回目で確実に勝てる(装備・アイテムを整えるのに多少時間はかかるが)。初見で倒すには主人公かパートナーにみずポケモンがいればわざマシンれいとうビーム、いなければ3人目をマグマの地底で行き倒れているパルシェンにしよう(クリア前では高額だがキャンプ「豊かな海」を事前に入手しておく)。メイン操作ポケモンは、なんとか接近してばくれつのタネを撃ち込むのみ。スタート時点でオレンでHPを上げておき、中間地点でふっかつの補充を忘れずに。
 以下、さらに列挙する。

アイテムが全て識別済み、マイナスアイテムがない

 アイテムを識別していく楽しさがないのは退屈だし、キグニ族の種を食べて「店主」を殴ってしまい死亡とか、マイナスアイテムゆえの面白みがない。

本編ダンジョンは全て「みとおし」可能=透視の腕輪状態

 序盤だけかと思ったら、本編ずっとだった。後半から登場するモンスターハウスも、アイテムが大量に見えるのでバレバレである(モンスターハウスのモンスターのみ表示されない)。

仲間を倒されてもペナルティが弱い

シレン』では敵のレベルが上がると一気に脅威になるのだが、仲間が倒されても何もないので正直楽すぎる(もっともポケダンで敵が1レベルくらい上がったところで大差ないのだが)。アクシデントによる、敵のレベルアップもない。
【10/2追記】本編クリア後ダンジョンだけだが、覚醒状態になったりメガシンカする模様。継続システムな以上、何かしらアイテムは持っていて対処できるのでそこまで脅威ではないが、一定のペナルティにはなっている。とはいえ覚醒やメガシンカでHP回復するわけでもなく、あらかじめダメージを与えていれば一撃で倒せることもしばしば。

オレンの実ドーピング(難易度についてはここまで)

シレン』でいう弟切草で回復アイテムだが、その冒険内のみだが最大HPを10上げる効果もある(100以上だと満タン時のみ)。厳しめのダンジョンではこれをストックしておき持ち込み、いきなり大量に使用すれば難易度は一気に落ちる(たとえば15個用意し、主人公、パートナー、仲間で5個ずつ使用)。
 余談だが上記攻略サイトではステータス成長アイテムを「ドーピングアイテム」と呼称しているが、効果が永続的なので本来の用法からすればこのオレン・ドーピングこそが正しいドーピングである。

ダンジョンの数だけは多いが、グラフィックだけでほぼ変わりがない

 元々『シレン』でも地上と地下しか違いはなかったが。今回はプラス「天気」システムがあるが(寒い場所では吹雪ダメージなど)、やることは基本同じ。違いは登場ポケモンのみで、膨大な数を出すにはこれしかなかったので仕方なくはあるが。

お金を拾う楽しさがない

 落ちているお金の金額がしょぼい。金策は一部のアイテム売却がメイン。

ボーナスモンスターの不在(そもそも敵からのドロップアイテムがない)

 宝箱を落とす「強敵」以外、食糧・金・アイテムを確実に落とす敵が存在しないので、ワクワクがない。ポケモンにキャスティングするのが難しかったせいだろうか。特定のダンジョン・フロアで「⚪︎⚪︎狩り」されてしまうからだろうか。

ポケモンを集めるメリットが薄い

 仲間はどんどん増えていくし控えにしておいても経験値が入るのはいいのだが、あまり活用法がない(特に登場が遅いポケモンは)。プレーヤーは操作しないチーム編成し救助クエストさせる(全滅した際に自分の別チームで救助することはできるが、それでも2チームで足りる)とか、歴史SLGのように内政とかやりたいなあ。
「余計な要素なし」はメリットでもあるのだが。本作ではポケモン集めはあくまで、原作ファン向け要素(そもそも「図鑑」がない。近い機能はキャンプ屋の「ポケモンリスト」)。特性以外に個体差はなく育成は簡単だが、これも原作ファンには物足りないかもしれない。

泥棒の楽しさがない

 シレンシリーズといえば「泥棒」だが、その楽しさがない。まず、やるメリットがない。そもそもお金は全滅しなければ消滅しないし、少なくとも本編では「商品が高価で買えない」ということがほぼない。安い商品しか売っていないからだ。『シレン』では文無し状態から高価な商品を泥棒する楽しさがあった。ちなみに「店主」役はカクレオン
 とはいえポケダンでは廃止される可能性もあったと思うし、ちゃんと再現し、泥棒可能になっているところは評価できる。メリットがなくてもやるのが男のマロン(原文ママ)かもしれない。

まとめ

 不満点はほぼ『シレン』との比較によるものだけで、総評としてはよくまとまっていてさすが任天堂クオリティ。シレンという原典とは別の、新生の不思議のダンジョンである。『シレン』は明らかにゲーマー向けなので、幅広い層にアピールできこれはこれでよい。
 無料体験版があるので、ぜひDLして触ってみてほしい(製品版にセーブデータの引継ぎ可能)。容量も2.1GBと少なめなので、DL購入もオススメ(私はDLで買った)。来年以降の続編にも期待したい。完全新作でなくても、シリーズがある分リメイクの弾は豊富なので。
 タイトルにも書いたとおり、ポケダンとはこれから長い付き合いになりそうだ。

主人公・パートナーポケモンにおすすめはあるか【10/31追記】

 私の場合、主人公は質問に答えた結果でそのままフシギダネを選択、パートナーは色味の相性から適当に選んだアチャモ。今ではとても思い入れができたので全く後悔はないが。
game8.jp
 さて本題。結論から言うと、ない。本編の難易度は決して高くないし、クリア後はパーティーを自由に編成できる(主人公&パートナーを外すことができる)ので好きなポケモンを選ぶのが一番。ただ、当時の私のような、全く思い入れのないポケモン初心者や、逆に愛がありすぎて絞りきれない人に何か言うべきことはあるだろうか。
 ちなみにここで選ばなかったポケモンもあとで仲間にすることは可能だが、おしなべて登場は遅いので注意(全てクリア後ダンジョン、うち半分くらいは難易度の高い「幸せの塔」のみ。救助依頼orダンジョンで倒れている場合で仲間になるケースもあるかもしれないが、正攻法では)。もちろん、愛があればコンプリートはできる。

 本編クリアまでなら草タイプはやや不遇と言えるが、フシギダネの場合毒も持っているので、ダンジョンで毒にならないメリットは大きい。したがってチコリータキモリがやや不遇である。逆にクリア後は海系ダンジョンがやたら多いので、炎タイプのヒトカゲヒノアラシアチャモがやや不遇となる。細かいことを言うとヒトカゲゼニガメワニノコミズゴロウ(リメイク版では実質登場しないが設定上はカメックスの「ハイドロズ」メンバー)、ニャースは進化先がストーリー・商店に登場するポケモンとかぶる。
 水タイプは本編ダンジョンやボスキャラとの相性面もよく、何より「移動タイプ」的に水路を移動できるので便利。ゼニガメコダックワニノコミズゴロウは強いて言うならおすすめ(なおパートナーは強制的に主人公とは別タイプとなるので水コンビにはできない)。爆発無効、天気無効どちらにしろ特性的にはコダックが一歩リードしている。【2021/6追記】コダックイーブイで2周目本編をクリアしたが、本編後半における天気変化わざなしでの天気無効化はチート級。シナリオの演出面も損なうし、何より簡単すぎるので逆に封印したほうがいいかもしれない。。水タイプは次点でミズゴロウ、進化先が「みず・じめんタイプ」というハイスペ耐性なので、ハイドロポンプを覚えてから進化するのがおすすめ。
 16の初期選択ポケモンを改めて比較してみると、面白いのは仲間全員(自分は含まれない)を攻撃強化できる「てだすけ」を初期わざで持つイーブイ。ボス戦だけなら全体強化系アイテムを持ち込めばいいが、常時使えるメリットは大きい。さらに本編クリア後だが、進化先を複数から選べるのもいい。このイーブイの「後から選択できる」という「性能」は、「タイプ・相性なんてよくわからない」というポケモン初心者にこそおすすめしたい。欲を言えば、はかいこうせんを覚えられれば進化する必要がないくらい強かったが(イーブイ進化系では覚えられるがタイプ一致でなくなる)、元々ノーマルタイプであっても進化系しか覚えられないので仕方がない。
【2021追記】カラカラも「ぶんまわす」「ほねブーメラン」が優秀すぎる上、わざマシンでもいいわざが覚えられるのでおすすめ。御三家は特性が地味なので、基本的に御三家以外が強い。ただし「教え技」で炎タイプはねっぷうが、地面系(主人公・パートナーではカラカラとミズゴロウ)がだいちのちからを覚えられるので、本編クリア後は覚醒的に強くなる。
 この記事が特にえげつないが、他にもこのwikiは情報量が多い。企業系攻略サイトはやたら重いし情報も横並び、「ゲームタイトル+wiki」で検索すべきだろう。
wikiwiki.jp

 なので、もし悩んだら、主人公とパートナーに「水タイプ&(イーブイorカラカラ)」という構成が、強いて言うならおすすめとなる。私の場合、仮におすすめされても人気ポケモンであるピカチュウイーブイは絶対に選ばなかっただろうが…。
 ちなみにピカチュウは部屋技「ほうでん」がとにかく強いが、ストーリー進行上コイルが序盤で仲間になるので、電気タイプがいない場合パーティーの3人目をコイルにすれば特にゲーム攻略上問題ない。覚えるレベルは34と37でピカチュウの方が多少早いとはいえ。さらに移動タイプが浮遊なので主人公&パートナーに水がいない場合の救済措置でもあり、はがねタイプによるディフェンスも含め非常に優秀。
【2021追記】ラクライが29、ライボルトが30と最速でほうでんを覚えられるので、早いうちに「雷鳴の山」で仲間にしておくと本編終盤には間に合うのでとても助かる。またイーブイがいない場合、「てだすけ」を早めに習得かつ登場も早いガーディ(12)、オタチ(16)が3人目におすすめ。
 残念ながらワンリキーニャース、エネコは完全に不遇だが、逆に2周目以降の難易度調整にはもってこいである(4マス・部屋わざ禁止などの縛りプレイでもいいが)。主人公・パートナーに同タイプは選べないので、ワンリキー&(ニャースorエネコ)がハードモードとしてはおすすめ。