うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

なぜゲームの主人公はモテモテなのか、ヤリチン放題でも許されるのか

 今回は元ゲーマー・元オタクとして、ゲーム社会学をやってみる。今やJRPGと呼ばれるギャルゲー化したRPG全般がそうだし、特に18禁のエロゲー・エロソシャゲなどに顕著。物語性のあるゲームすべてと言っていい。なぜ、ゲームの主人公はたいしたことをやっていないのにモテまくるのか。我々はその謎を解き明かすべくジャングルの奥地…ではなく室内で改めてゲームをやってみた。
 本稿では「商売主義で男性プレーヤーに媚びている」なんていう正当な主張はしない。そんな浅ましい、俗物が喧伝する社会評論は聞き飽きた。これだけ多くの「世界」で共通する事象なのだから、似た社会モデルが採用…いや報告されている。そしてそれには、何か根源的な理由があるはずだ。何か。
 改めて、ゲーム世界における主人公の特徴をまとめてみる。

  1. たいしてハイスペでもない主人公が
  2. (ゲーム上)当たり前の指示を出しているだけで
  3. 神リーダーとして崇められ、モテまくる
  4. さらには部下(仲間)に手を出しまくるヤリチンぶりでも組織が破綻するどころか、むしろ絆が深まっている

 18禁もので4番目が加わるかどうかが違うだけで、これは現代ほぼすべてのゲームに言えることである。しかも驚くべきことに、作中では世界を救うくらいの有能な人材が集まっているのに、そのエリート集団の中でモテまくるということ。恋愛経験が多そうなセクシーなキャラでさえもそう。我々の現実社会と乖離しすぎていて、気味が悪いくらいだ。なぜこうもチョロいのか。

 主人公の容姿・外見描写がない作品も多いが、あっても作中で異次元なイケメンということはまずない。明らかに「人格」でモテているのだ。
 少年ジャンプのエロ漫画(不可解な日本語)「終末のハーレム」のような、男性が極端に少ない世界でもない。エロゲー・エロソシャゲでは男性登場人物が少ないが、モブキャラ・人口レベルで男性が少ないというわけではないからだ。
 では、(多くのキャラが)清楚なテイで実は皆ビッチなのだろうか? それはない。あんな性格のいい子たちがそんなわけはない! ……ついオタクとして熱くなってしまったが、仮にそうならもっと寝取られも発生していなければ説明がつかない。前述の通り、男性が主人公以外存在しない世界ではないのだ。貞操観念は普通にある世界だと見ていい。

 紙幅の都合でエビデンスは省略するが私の考察をまとめると、現代日本とくらべて、ゲームの世界は以下のような文化的背景がある。これは仮説ではなく、圧倒的真実であり統計的真実なのである。

  • 男女問わず、コミュニケーション力、特にマネージメント能力が絶望的に低い。よって、当たり前の気配りや指示をするだけで神リーダーになれる
  • 恋愛市場において、男の(人格)レベルが壊滅的。したがってごく普通の主人公が、超絶やさしくていい男となる
  • 上記の理由として、不倫が異常に厳しく断罪される。まともな男性もいるがすぐ既婚者になってしまい、手が出ない
  • やけに恋愛経験が少ない子が多いのは、それをよしとするカフチョーセーが異常に強い社会だから。なぜか作中には登場しないだけで、フェミニスト運動が盛んという裏設定が実はある
  • 女性たちに「一流の男の2番手3番手>>>>(超えられない壁)>>>>しょぼい男の正妻」という意識=闇の一夫多妻制がある。作中の家族設定などから表向きは一夫一婦制だが、その裏には一夫多妻制が横行している。あるいは恋愛状態においては一夫多妻状態が許される慣習がある。どんなモテ男でもあんなヤリチンぶりでは、仲間の嫉妬を買って組織が崩壊するはず。それがないのは、女性たちが許容しているから。主人公は単なる浮気ではなく、組織内の女性を「平等に愛する」という擬似的な一夫多妻制を体現しているため問題にならない

 ゲームの世界は現代日本とは大きく違う。さあ今日も、我々の常識が通用しない異文化コミュニケーションを楽しもう。ゲームをやると文化人類学社会学の勉強になるので若い人は覚えておくように。

 おっと、イベント周回の時間だ。狙ったキャラを当てるまで、課金ガチャも厭わない。それが私の信念だ。そして好きなキャラは無意味な上限強化をしないと気が済まない。廃人・依存症だと笑いたければ笑え。賎民に私の高潔な理想などわかるものか。
 二次元(+声優)こそが至高の美であり、それ以外はすべてまがい物なのだ。それがオタクの真実。二次元よ来たれ、三次元よ去れ。