うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

クラファンの欺瞞と逆進性

 この記事を読んで、今までのもやもやがはっきりしました。メンヘラ.jpうんぬんよりも、クラファン自体に対するもやもやが。hyogokurumi.hatenablog.com クラファンと言えば2016年の西野さんがとても有名です。彼以降芸能人がこれをやると炎上するのが常ですが、内容さえまともなら私は批判しません。むしろ信用を損なえば本業に影響大なので、芸能人の方が下手なことはできない。
「元々お金のある人でも、手軽に資金調達し身銭を切らずに事業ができる」のがクラファンのメリット、というかそっちが主体でなければならなかった。クラファンは悪用できる。むしろ悪用されるためにあるシステムと言える。

 私は嫌儲主義は大嫌いですし、本来の意味での出資を募るクラファンは歓迎です。が、


 期限と目標金額で切迫感と高揚感を煽るやり方は非常に危うい。だから、正面からネット有料記事やメルマガを販売している方がずっとまともであると言えます。
 クラファンの運営が悪かどうかはさておき、ある程度デキレースでもあるらしい。たしかに、その方がうまくいく。たとえ自腹であっても。「バンドワゴン効果」は私も常日頃実感しているところで、0のところにファボやRTってつけづらいんですよね。クラファンも同じで150/300万の状態と0/150万だったら圧倒的に前者が入れやすい。達成できそうな気がする。「ワシが育てた!」やりたい感を巧みに煽れる。
 この欺瞞がまず問題点その1、その2は逆進性です。メンヘラ.jpについては来未炳吾さんも驚いていましたね、「生き辛い界隈の人相手にやるか?」って。運営であるわかり手さんも「無理するな。余裕のある人が金を出してくれ」と再三言っていたものの、言ってることとやってることが噛み合っていない。あそこの読者・ファンの大多数はお金のない層でしょう。
 30代独身社会人の私にとって、5000円、1万円程度の金はなんでもないが、若年貧困層にとっては重い。この記事執筆時点で目標の300万を超え、400万に。比率で言えば少ないでしょうが、それでも400万という事実は重い。前述の有料コンテンツであれば、総額でいくら稼いだかなんて本人しかわからない。可視化される不幸。

 メンヘラ.jpのクラファンは、わかり手さんの2月のトークイベントを最初から締めに持ってくる日程だったのでしょうが、あれ以降の過熱感は見ていて非常にもやっとしました。投げ銭や寄付は大いに受ければいい。しかしこのやり方は…。
 正しい「投げ銭」とは、全文公開型の有料noteあるいはAmazonほしい物リストのような形でしょう。あれこそ、余裕のある人が気分でできるもの。見返りもないしスッキリしている。期限もないし、目標金額もない。生活応援的な出資はいつでも受けられた方がいいに決まってる。
 最終的に、私の結論はこれです。

 クラファンを美談にするのはやめよう。多くは明確な目的や公約もない、インターネット乞食である。

2/27追記:400万の内訳についてどうでもいい考察

 投げ銭は普通数百円と少額。しかし機会と金額のクラファンレバレッジにより、今回のケースでは特典が発生する最低「リターン」の5000円をお金のない人でも目指そうとします。儲かるな、そして罪深いな…。